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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十一話 激闘!!第五次イゼルローン攻防戦なのです。
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直接的な指揮権は持たない。ならば・・・)

 シャロンの口元に微笑がうかんだ。

(単に艦隊総数が増えただけ。それはこちらも同じことなのだから、条件としては変わらないわ。統合作戦本部長に上申した私の作戦立案書どおりに行けば、要塞を制圧できるはずよ)

 もっとも、とシャロンは思う。もしも要塞を制圧してしまえば、あの大規模な帝国領侵攻作戦が始まってしまう可能性が大だった。そうなればアムリッツア星域で大敗を喫し、同盟の国力は一気に減衰してしまう。そのため、シャロン個人としては今回は要塞制圧を望んではいない。ただ、自分の先見性を上層部に知ってもらい、さらなる昇進の糧にしたいと思っていただけだった。
 この点では「負けることを前提とする」ブラッドレー大将、シトレ大将と考え方は同じで有ろう。もっとも両者の思惑は、「負ける」というその一点につき同じであるだけで、後はだいぶ違うのであったが。

「諸君も承知の通り、イゼルローン要塞にはトールハンマーという巨砲がある。これをいかに無力化するかだが・・・・」

 ロボスに代わって会議を仕切るシドニー・シトレ大将は周りを見まわした。

「かねてからの作戦通りに、並行追撃によって要塞に肉薄する。つまり、意図的に混戦状態を作り出すことで、帝国軍にトールハンマーを撃たせないようにするのだ」

 おおというどよめきが会議室内に満ちる。

「なるほど!」
「これはいけるかもしれんぞ」
「そうなれば――」
「我々の手で初めてイゼルローン要塞を陥落させられる!」

 どよめきの中、冷静にそれらを見守っていたのは、ほかならぬシトレとブラッドレー、そしてヤン・ウェンリーとシャロンの4人だけだった。


 イゼルローン要塞内艦隊ドック――。

 駐留艦隊と増援艦隊の全軍に出撃指令が下っていた。この出撃指令のタイミング自体は良好なものであった。イゼルローン要塞と同盟軍艦隊との距離から逆算すると、今出撃して陣形を整えた直後に、同盟軍艦隊がやってくるという流れになるからだ。その辺りの呼吸は上級将官たちはよく心得ていると言ってもいい。

 だが、あくまでもイゼルローン要塞付近で戦闘をするということに関しては、少なからず異論があった。

 せっかく回廊内部にいるのであるから、まずは回廊出口付近にて敵に痛撃を与え、此方の士気を上げるのが得策ではないか。それに反乱軍がいつまでもトールハンマーにすりつぶされにノコノコとやってくるものか。そう思っている者の一人がティアナだった。

「くだらない!」

 移動床に乗って艦に向かいながらティアナが両拳を打ち付けていた。

「もし、私に一個艦隊を率いさせてくれるのなら、絶対に反乱軍を完膚なきまでにたたいて見せたのに!!」
「まぁまぁ。そう怒らないで
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