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心の剣
10部分:第十章
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で全てが

 讃えられ許されて清められ

 今何もかもが静かに終わり彼の下に集う

 それが運命なのであるから


 
30.歌姫
 場末の酒場  何もない黄昏の酒場

 そこで歌う一人の女

 何もないのに歌い続けている  ただ一人

 その歌声だけが店の中に響く

 悲しく寂しい歌が聴こえてくる

 それが不思議と酒を進ませる

 他には何もいらなかった  歌声が肴になる

 酒が痛い程美味く思える

 歌声が心の中に響き酒もそれに続く

 一人で飲む酒は歌声につられて進み

 何もかもを寂しく思わせていたよ

 
 週末の酒場  ありふれた酒場だけれど

 そこに歌姫が一人

 一人きりで歌っているよ  別れの歌

 恋人と別れた悲しみを歌い

 悲しく寂しい声を聴かせてくれる

 それを聴くと酒を飲みたくなる

 悲しい気持ちが酒を飲ませ  何処までも酔わせる

 悲しい酔いが心に滲みて

 それが酒にも伝わりさらに飲ませる

 寂しさが店も酒も心も支配していって

 全てを包み込んでしまっていたよ


 歌声が心の中に響き酒もそれに続く

 一人で飲む酒は歌声につられて進み

 何もかもを寂しく思わせていたよ



                  2007・1・19

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