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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第142話
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バルツァー。性懲りもなく、敗者に手を差し伸べるなど……」
「いやー――俺達は今日、初めて真正面から全力でぶつかり合えたと思う。あの実技テストの日とは違って……互いを対等な立場と認め合えた上で。今なら―――俺達は手を取り合えるんじゃないか?」
「リィン君……」
「「(お)兄様……」」
リィンの言葉を聞いたトワやエリス、セレーネはそれぞれ静かな表情でリィンを見つめていた。
「………………やれやれ。どこまでも癪に障る男だ。」
するとその時溜息を吐いたパトリックがリィンの手を取って立ち上がり、”騎士団”の面々を順番に見回してある決断を下し、それを口にした。
「……我々、トールズの”騎士団”は本日をもって解散する。そして全貴族生徒はハーシェル生徒会長の下に改めて結束―――”有角の獅子紋”を纏う者として共に剣を振るうことを誓おう!」
「あ……!」
「パトリック……!」
パトリックの宣言を聞いたトワとリィンが明るい表情をしたその時、学院から平民、貴族問わず生徒達が出て来て明るい表情で互いに喜び合い、またいつの間にか駆け付けていたカレイジャスの船員である士官学院生達も明るい表情で士官学院生達の意志が一つになった事を喜んでいた。
「……フン。」
「フフ、ようやくここまで辿り着けたね。」
「ぐすっ……うん!ようやくみんなで学院に戻ってこられた……”トールズ士官学院”が、やっと一つになれた……!」
「ええ、会長。―――行こう、みんな。あとは俺達の―――かけがえのない毎日を取り戻すだけだ……!!」
「おおっ!!」
「……………………」
「リィン……みんな…………」
「…………?」
リィンの号令にZ組の面々が力強く答えた様子を重々しい様子を纏って目を伏せているシグルーンと辛そうな表情で見つめているゲルドに気付いたエリスは不思議そうな表情で首を傾げていた。
―――こうして、リィン達は全員でトールズ士官学院を取り戻した。学院生達の声援はしばらくの間止む事はなく……誰もが士官学院の一員であることに誇りと喜びを感じながら―――この内戦の空に、強い意志と明日への希望を抱くのだった。
既に”全てが終わった事”を知らずに………………
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