自分の流儀を貫いて
10:真実とは何が何で何なのか?
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うなれば、まず俺に勝ち目はない。そこまでの差がある。ならば……少し手法を変えてみよう。
「モード変更、“槍鎧装”」
モード“槍鎧装”。その名の通り槍やランスを主な武器とした武装形態。俺の持つ武器が二刀一対の刀から二丙一対のランス――形状からして――となる。この武装形態は速さが売りだ。俺が最初に使ったモードでもある。
(問題は、これを使って対等に戦えるか、なんだがな……)
“剣鎧装”よりは使い慣れている。なら、何故最初からこれを使わなかったかと問われれば、“剣鎧装”を実戦で使ったことがないからだ。試験的な意味で使ってみたが、痛い目を見た。
(主砲の“砲”は潰す。“主”の方はその後だ)
リスクの高い方は選ばない。“ストライクカノン”を潰したら、逃げればいい。それに、カレンなら特務六課の連中は殺すな、と言うだろう。いや、実際に言っていたか。
(これ終わらせて、早く“約束の日”を……)
これ以上はあまり、時間をかけられない。空にいるもう一人の“主砲”に来られては面倒だ。俺には予定が詰まっている。ここで逮捕なんて、冗談じゃない。
“翔翼”を前方に展開し、加速の準備をする。更に、ランスの柄に付いているブースターを点火。“槍鎧装”最大の技。加速へ更なる加速。
(これでそろそろ終わらせる!)
前へと踏み込む。“翔翼”とブースターのコラボ。周りの景色が後ろへと吹っ飛んでいく。超加速の突進。
「うらあァァァ!」
二丙のランスを使った突進。この調子なら“ストライクカノン” を破壊できる。
(懐に入ってぶち壊す! まずはそっちだ!)
このままなら成功する。だが……運命は、いやこの世界自体俺に味方をしなかった。
「かへっ……」
空気が震えた。何が起きたのかはわからない。ただ、俺のリアクトが解除された。
車は急に止まれない。加速した俺は止まれない。この現象によって、俺は姿勢を大きく崩し、“ヴォルフラム”の上を転がった。自分の姿勢を制御出来ないまま、そのままの加速。起こることはただ1つ。“ヴォルフラム”の上から下――海への落下。
「しまっ……」
体は先ほどの現象のせいか動かず、飛ぶことすら出来ない。鎧装ではなく、生身のままの自由落下。
(そうか……さっきのは“ディバイドゼロ・エクリプス”!)
“ディバイドゼロ・エクリプス”。トーマ・アヴェニールの、ゼロ因子適合者の力。魔力結合だけではない。人間の生命活動、リアクトさえ分断する力! これほどのものか!
(でも、このまま落ちたら痛いだろうなぁ……)
幸い、思考
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