第133話
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………」
リシャールの話を聞いたクローゼは心配そうな表情で見つめた。
「で、でも………!大佐だって王都が襲われた時、駆けつけてくれたじゃない!?」
「そ、そうですよ!あの部下の人達と一緒に街のみんなを助けてくれて………」
「ふふ………正直、あれは助かったわね。」
「その後も、ハーケン門に向かった僕たちやクローゼの代わりに王都の守りを引き受けてくれました。」
「たしかに、そういう意味じゃ協力者だったと言えなくもねぇな。」
「それに大罪人でしたらリシャールさんと同じく情報部の少尉として暗躍し、そして結社の”執行者”としてリベールを窮地に陥れたロランス少尉―――レーヴェも同じですけど、レーヴェもリシャールさんと同じようにこの”影の国”に取り込まれている可能性もあるんですよ?」
リシャールの言葉を聞いたエステル、ティータ、シェラザード、ヨシュア、アガット、カリンはリシャールを納得させる為に言葉を尽くした。
「しかし………」
「フッ、リシャール殿。それを言うなら、まさにその時、エステル君やリベールの敵として立ち塞がっていたのはこのボクだ。そのボクが何のためらいもなく仲間として身分を謳歌している………それを考えたら、貴方がそんなに葛藤する必要はないと思うけどねぇ。」
「……お前はもう少し葛藤した方がいいと思うのだがな。」
それでも納得していない様子のリシャールに助言をしたオリビエにミュラー少佐は顔に青筋を立てて指摘した。
「ですが、皇子………あなたは最初から帝国軍の陰謀を食い止めるために動いておられた。やはり私とは立場が違うでしょう。」
「それを言うならボクは?ボク達だって、あんたたち情報部に利用されていたとはいえ、空賊をしてたことには変わりないよ。ま、色々あったけど今は女王陛下に赦してもらって民間の運送会社なんかやっている。似たような立場なんじゃないの?」
「それは……」
「ま、大切なのは過去じゃない。現在と未来ってことでしょう。」
「そうですよ!リシャールさんの剣があれば私達もすごく助かりますし………ここは是非、ご協力をお願いします!」
オリビエの話を聞いてもまだ納得していないリシャールにジョゼット、ジン、アネラスはそれぞれ納得させる言葉を言った。
「………アネラス君。」
「って、アネラスさん。何気に大佐と知り合いだったりするの?」
「あ、えへへ………この前、カシウスさんと会った時にちょっとあって。」
「へ、父さんと?」
アネラスの口から出た予想外の話を聞いたエステルは驚いた。
「―――話を伺っている限り、あなたの協力を拒む理由はどこにもなさそうですね。むしろ是非とも力になって頂ければと
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