異伝〜遥かなる記憶 最終話〜(5章開始)
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
…………?………………」
「―――従騎士ケビン・グラハム。本日をもって貴公を”守護騎士”第五位に迎える。これは封聖省による決定事項であり、法王猊下もすでに承認されたことだ。」
「……………………………え…………」
守護騎士セルナートの言葉を聞いたケビンは黙り込んだ後、わずかに顔を上げて信じられない様子で呆けた。
「君とてここ数十年、『第五位』が空位だったのは噂程度には知っているだろう。おめでとう―――君がその『第五位』だったわけだ。」
「……………………………」
「フッ、これで君と私は同格………長らく主のいなかった伍号機もようやく日の目を見るというものだ。」
「………なんや………それ………」
「ああ、それと守護騎士は自ら渾名を名乗る習いでね。君も今の内に適当に考えておくといいだろう。ちなみに私のそれは知っての通り”紅耀石”――――味も素っ気もないものだがな。」
「そ、そんなこと………聞いてるんやない………な、なんでオレが………そんな………姉さんを………ルフィナ姉さんを………から守れんかったオレが………」
「『―――それは特に問題ではない。問題はルフィナ・アルジェントが極めて優秀な騎士だったという事だ。聖痕が顕れなかったとはいえ彼女の問題解決能力は時に守護騎士をも凌駕していた。その”損失”に見合うだけの働きを第五位には期待しておこう―――』―――枢機卿猊下のお言葉だよ。」
呆然としたケビンの疑問に答えるようにセルナートは淡々とした口調で答えた。
「……………………………クク………ハハハ…………なんやそれ………なんなんやそれ………ひゃははははッ!!」
「……………………………」
守護騎士セルナートの言葉を聞いたケビンは声を低くして笑って呟いた後、やがて顔を上げて大声で笑い、その様子を守護騎士セルナートは黙って見守っていた。
「クク………オレが!?ルフィナ姉さんを守りたくて騎士になったこのオレがっ!?その姉さんを喰いものにして守護騎士に選ばれるやと………!?あはは、傑作や!傑作すぎて笑い死んでまうわ!ひゃー――っははははははッ!!」
「……………………………」
「………クク………ハハハ………ふふ………はは………………………」
「――――さて。どうするケビン・グラハム。ちなみに君にはこの要請を辞退する権利がある。もっとも騎士団千年の歴史で守護騎士に選ばれながら辞退した者はただの一人もいないという話だがね。」
ようやく笑い終えたケビンに守護騎士セルナートは静かな口調で問いかけた。
「フフ、そうでしょうな………」
守護騎士セルナートの問いかけにケビンは嘲笑した後、やがて顔を上げて凶悪な笑み
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ