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春の歩道
6部分:第六章
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 ふとリボンを見て思い出すのはそのこと

 今は簡単にどんなリボンもほどける

 けれどほどかれたリボンは何処か虚しい

 子供の頃はほどくのにあんなに苦労したのに
 
 今じゃ一瞬で終わってしまう

 嬉しいはずなのに何故か寂しい

 ほどけたリボンを見てそれを感じる

 
 ほどけなかったリボンが

 子供の頃気になっていたよ

 ほどけなくて悔しい思いをしたのは

 嫌な思い出の筈だった

 それを忘れたことはないし忘れはしない

 けれど今はどんなリボンもほどける

 それでも嬉しくはないのはどうしてなのか

 あの時はほどくのに懸命になっていたからか

 それが今では造作もない

 そのことが何か楽しくないんだ

 リボンはほどけないからいいのかも


 子供の頃はほどくのにあんなに苦労したのに
 
 今じゃ一瞬で終わってしまう

 嬉しいはずなのに何故か寂しい

 ほどけたリボンを見てそれを感じる

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