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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
外伝〜癒しの演奏会〜
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各地を回っていたリィン達は七耀教会のシスター見習いでもある士官学院生―――ロジーヌの依頼を受ける為にケルディックの礼拝堂にいるロジーヌを訪ねた。



〜ケルディック・礼拝堂〜



「Z組の皆さん……お越しいただいてありがとうございます。依頼を見てくださったみたいですね?」

「ああ、ケルディックの為に演奏の催しを考えているそうだな。」

「その件で、僕に何か相談したいこともあるらしいね?」

「ええ、そうなんです。皆さんもお忙しいでしょうが、御力を貸していただけませんか?」

リィンとエリオットの言葉に頷いたシスター―――ロジーヌは懇願するかのような表情でリィン達を見つめて尋ねた。



「ああ、勿論協力させてもらうよ。」

「そうだね……ケルディックの為に何かできる事があるのなら。」

「私も同じクロイツェンの民として協力は惜しまぬつもりだ。」

ロジーヌに協力する事を決めたリィンとエリオット、ラウラはZ組を代表して答えた。



「皆さん……ありがとうございます。―――あの焼き討ちの日から数日……町の復旧は少しずつ始まっています。メンフィル帝国から支援物資が届いたり、復旧にもギルドの方達やイーリュン教の方達と協力して手伝って頂いて。」

「ふむ、たしかに町の復旧は進んでいるようだ。」

「ギルドもできる限り協力しているみたいね。」

ロジーヌの話を聞いたラウラとサラ教官はそれぞれ頷いていた。



「ですが……やはり町の皆さんは心に深い傷を負われているみたいで。町が焼かれた光景が目に焼き付いて眠れない方などもたくさんいらっしゃるんです。」

「あれからたった数日だからな……」

「無理もないです………あれほどの惨状でしたから。」

「犠牲者は出なかったけど、ケルディックの人達は辛い思いをしているのでしょうね……」

「多分、完全に痛みが治るのはずっと先の事でしょうね……」

「……………………」

ロジーヌの話を聞いたリィン達がそれぞれ重苦しい雰囲気を纏っている中、ユーシスは辛そうな表情で黙り込んでいた。



「そんなみなさんの心の傷を少しでも癒して上げたくて……一生懸命考えたんですが。この礼拝堂で”演奏会”のような催しができないかと思いまして。」

「演奏会……」

(演奏…………?)

ロジーヌの口から出たある言葉を聞いたエリオットは目を丸くし、ロジーヌの言葉によって何かを思い出しかけたゲルドは不思議そうな表情をした。

「はい、今年の夏にトリスタの教会で行われた催しもとても素晴らしかったですから。あの時のような演奏会ができれば町のみなさんを元気付けて差し上げられるんじゃないかと。」

「なるほど……それでエリオッ
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