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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十話 戦場で敵艦を撃破することだけが武勲ではないのです。
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ホフ元帥ら推進派の「女性登用の風潮を基礎づくる」という信念のもと、少し緩やかな昇進人事が秘密裏に行われていたためである。もっとも元帥の動機としては孫同然のベタかわいがりにかわいがっているアレーナの願いをかなえてやりたいという思いがあったからである。「将来の宇宙艦隊司令長官はアレーナ」というマインホフ元帥の勝手きわまる動機からなのだが。

 推進派は将来的には女性の将官登用に踏み切るつもりでおり、その準備を着々と進めていたのである。


帝国歴483年4月24日――。
駆逐艦エルムラントU
■ ラインハルト・フォン・ミューゼル少佐
 駆逐艦とはいえ、ようやく一艦の艦長になったか、これで俺も自分の船を指揮することができる身分にはなったというわけだ。
 だが、就任当初は「青二才」の俺たちへの風当たりは強かった。特に古参兵士や下士官はそうだ。だが、俺は頓着しない。なぜなら指揮官として使えるかどうか、それは実戦で証明して見せなくては意味がないからだ。もっとも、平素において数人ばかりたたきのめしてやったがな。キルヒアイスが副長としてそばにいてくれてよかった。
 出立前、アレーナ姉上と会う機会があった。相変わらず宮殿内を飛び回っている。だが、姉上をそばで見守っていてくれるので、俺としては心強い。ヴェストパーレ男爵夫人、シャフハウゼン子爵夫人、アレーナ姉上、この3人がいてくれるからこそ、姉上はあの忌々しい宮殿内で何とかやっていられるのだ。

 待っていてください姉上、必ず俺がお救いします。

 そのアレーナ姉上から、そのうち一個艦隊司令官として前線に出るなどと言われた時は驚いたが、あれもアレーナ姉上流の冗談の一つなのだとわかっている。
 この艦に、イルーナ姉上、アレーナ姉上、そしてフロイレイン・フィオーナやフロイレイン・ティアナがいないのは残念でならない。女性だと皆はさげすむが、何が女性だ。そんなものは関係がない。指揮官としてあの人たちは充分すぎるほど能力を持っている。そして何よりも、俺の大望を理解して、それに協力しようとしてくれている。
 だが、だからこそ俺は自分を律し、厳しくしていかねばならないのだ。あの人たちなしでも、俺が最後まで自分の道を歩んでいけるようにならなくてはならない。
 何はともあれ、まずは状況把握だ。先日のルッツ少佐同様、願わくば、俺の麾下に招くに足る逸材にお目にかかりたいものだ。

■ ジークフリード・キルヒアイス中尉
 ラインハルト様が考え事をしておられる。きっと要塞についてから、また新たな人材収拾をなさろうとしているのだろう。だが、それをおくびにも出さないところはさすがはラインハルト様だ。私たちはまだ一介の駆逐艦乗りにしかすぎないのだから、あまり目立つ行動をするのは控えた方がいい。
 出立前にアレーナさんと
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