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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十話 戦場で敵艦を撃破することだけが武勲ではないのです。
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はその増援艦隊の一員として赴任してくるはずよ』
「その増援部隊の指揮官は誰?規模はどうなのかしら?」

 イルーナが尋ねる。

『帝国軍正規艦隊司令官ハンス・ディートリッヒ・フォン・ゼークト大将指揮下の一個艦隊15600隻よ。本当はもっともっと大兵力を、もっとまともな指揮官を派遣したかったんだけれど・・・』

 ゼークト大将は、今のイゼルローン要塞艦隊司令官であるヴァルテンベルク大将の次に、イゼルローン要塞駐留艦隊司令官になる人物である。原作では最後はイゼルローン要塞をヤン・ウェンリー艦隊に攻略された際に、武人の矜持を貫き、トールハンマーで旗艦ごと爆殺された人物として描かれているが、この世界ではどうなのだろうか。

「例のイゼルローン要塞に駐留艦隊司令官になる人か。残念ね、ミュッケンベルガーだったらよかったのに」

 ティアナが残念がった。そのミュッケンベルガーは女性士官学校副校長を今も務めているが、今年の4月から異動して、宇宙艦隊副司令長官として辣腕を振るうことになっている。ここ数年でだいぶ理解が進んだらしく、女性士官の登用に積極的になってきたということだ。

『ちょっと間に合わないわね。ごめんね。力になれなくて』

 すまなそうなアレーナにイルーナは微笑んだ。

「あなたは精一杯やってくれたわ。ありがとう。後はこちらで引き受けるから」
『ありがとうね。まぁ、そういうわけだから、警戒よろしくね』
「わかったわ。ありがとう」

 通信は切れた。

「ティアナ、フィオーナ」

 一転、表情を引き締めたイルーナが二人に話しかける。知らず知らずのうちに二人は前世の時と同様姿勢を正していた。

『はい』

 これは予想以上の展開になるかもしれないわ、とイルーナは前置きして、

「あなたたちは幸い私の艦の副長兼操舵主任と砲術長。1隻の駆逐艦ではあるけれど、3人がこうしてそろったのだから、なんとかこの状況を3人で打破しましょう」

 イルーナ・フォン・ヴァンクラフトは例のベードライ基地で、ラインハルトとキルヒアイスが去った後に部隊指揮官として赴任、反乱軍基地を撃滅した功績などによって、この年少佐に昇進し、駆逐艦リューベック・ツヴァイの艦長に就任していた。
 このリューベック・ツヴァイ、珍しく女性士官が半分を占めるというまさに「女が指揮する艦」として注目を集めていた。もっともその半分は厳しい禁止規定にも関わらず侮蔑の入った視線であったことは事実である。女性士官学校が誕生して数年、前線に来る女性士官も増えつつあったが、まだまだ実情としては根強い差別があったのである。
 それでもイルーナ・フォン・ヴァンクラフト他、優秀な女性士官は早くも少佐に昇進していた。通常の帝国軍人と比べても早い速度だが、これにはマイン
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