1話
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
女尊男卑についてはニュースで見たり知人から聞いたことはあったが、自分がこうまで露骨にその対象になるとは思わなかった。e-Sportsでは無かった分、彼女たちの視線は不快感を催すものだ。
対戦相手を負かした時はこういった視線を受けることもあったが、あれは相応な理由が存在するから納得が出来る。だけど、この視線は僕が『男』なだけで向けられている。
そのあまりと言えばあまりな事実に心の中でため息を零す。性別が壁になったり『差別』に繋がる世界にいたわけでない以上、ただただ不快でしかない。
『女性』にしか反応しない世界最強の兵器IS『インフィニット・ストラトス』。現存の、従来の兵器の存在を否定しかねないほどのぶっちぎりの性能を証明されて以来、戦争の抑止力の要として運用が始まった。
いち個人としては笑い種でしかない。
元々は宇宙空間での活動、運用を前提にして設計開発されたマルチフォームスーツ、だったか。開発当初は微塵も評価されなかったという。
そして発表の1ヶ月後、開発者である篠ノ之 束が引き起こした『白騎士事件』。概要は確か、こんなものだったか。
母国の日本を射程圏内に存在する全軍事基地の設備がハッキングされ2000発以上のミサイルが日本に発射された。
しかし白銀のIS、通称『白騎士』。その白騎士とやらの手によって全てのミサイルが落とされ、その後白騎士を捕獲するために送り出した大部隊、戦闘機200機以上、巡洋艦7隻、空母5隻、監視衛星8基、その悉くを無力化。
これだけでも目眩がするほどのことだが、しかしこんなことよりも遥かに驚く事実が存在する。
つまり、『1人の人命を奪わなかった』ことだ。
素人でも少し考えれば、特に軍人などの本職ならばこれがどれだけ異常なことが分かるはずだ。
素人からすれば無力化と聞いて3つ思いつく。
完全な破壊か。戦闘続行不可能なレベルでの破壊、つまりは武装のみの破壊。そして機動に関する破壊か、機動や武器をコントロールする機器の破壊。そんなところか。
馬鹿か。
個人で動かす戦闘機にしても、多数の人間で運用する巡洋艦や空母を無力化するならばどの手段を用いても人的被害を避けることは出来ない。場所によっては2次被害だってありうるだろう。
しかし現実として人的被害は出ていない。
ここまでだけでも気になる点は多いが、その中でも極めつけの疑問が沸く。
つまり、最初から人が乗っていなかったのではないか? ということだ。ハッキングと合わせて考えればこれは壮絶な自作自演にも見えなくもない。
そこまで考えて思考を止める。
所詮は素人の考え。もしかしたら全く違う答えがあるのかもしれない。
まあ、答えはどうあれ1個だけハ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ