5月
第16話『まとめ役』
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まり、さっきの推薦よりも免れる確率は高い。いける! 学級委員をやらなくて済む!
*
「・・・と、思っていた時期が俺にもありました…」
「まぁそう落ち込むな晴登。運が悪かっただけだよ」
くじを引くために全員が席を立ってわいわい騒ぐ中、大地の励ましは俺の頭に虚しく響くだけだった。
もはや、「自業自得」と言っても差し支えないかもしれない。
結局、俺が男子学級委員になった。
周りの反応は別に悪くはなかった。まぁ柊君を推す数名の女子はちょっと不満そうにしていたが、許容範囲だろう。“嫌われている”という雰囲気は感じ取れなかったので良しとする。
「何かすみません、三浦君…」
「良いよ柊君。これも運命だったんだ…」
黒木部長のカッコつけがうつったのか、変な感じの言葉が出てしまった。
でも事実だ。運命なんだよ、これ。吹っ切って、やるしかねぇよな。
「それで女子は?」
俺が決まったってのはわかったが、女子学級委員は誰になったんだ。一緒に仕事する訳だし、仲良くやっていかないと・・・
「晴登ー! 私になったよ!」
その声を聞き、声の主を察した俺は既にドッと疲れが来た気がした。
よりにもよって、莉奈かよ…。
「あれ、晴登元気ない??」
肩を落とす俺を見て、莉奈はそう訊いてきた。
「まぁな。相方が全然仕事しなさそうな奴だな、とか3回位思ったな」
俺は皮肉を込めたセリフで返した。こいつ絶対仕事押しつけてきそう。
「なんだとコノヤロー!」
「痛っ!」
案の定、俺の言葉に怒った莉奈が殴ってきた。しかもみぞおちだ。加減ってものを知らないのか。
仮に殴るとしても、もう少し女子らしいパンチにしてくれ。危うく膝をつくとこだった。
「やったな! 殴ったってことはやり返してもいいんだな!」
かなり痛がりながらそう警告する俺。傍から見たら正直ダサい。
「ふん、じゃあかかってきなさいよ!」
莉奈がそう言い始めた。
こいつ…明らかに宣戦布告した!?
「ふっ、良いだろう」
その瞬間俺は、右手を動かした。
*
先程からどれだけの時間が経っただろうか。
委員会決めなんて忘れた俺と莉奈は、未だに格闘を続けていた。騒がしかった教室も、いつしかその様子を見守っている。
「ほーれ、こちょこちょこちょこちょ」
「うわ、晴登…ふふっ、ギブギブ! あははは!」
床に転げながら莉奈の笑い声が響く。
これぞ、秘技"くすぐり"。昔から横腹やら脇やら弱い莉奈には効果抜群だ。
「「………」」
「ははははは
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