5月
第16話『まとめ役』
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が・・・鳴守君とか?!」
「え、俺!?」
大地が驚いた声を上げる。たぶん、自分に振られるなんて思ってもなかっただろう。
だが今回は、俺の盾になってもらう!
「鳴守君ですか」
「良いと思いますよ! 頭も良いし運動もできるし・・・まぁそれだけじゃなくても向いてると思います!」
「おい、晴登!?」
ふと大地を見ると、こちらを困惑と微妙に怒った顔で見ていた。悪いな大地…。今度何か奢ってやるから・・・。
「……! 先生! 頭が良いってことなら、暁君はどうですか?!」
「はっ!?」
今度は大地が暁君に振った。
明らかに俺と同じことを繰り返そうとしてるな、大地め。
無論、我関せずとよそ見していた暁君は「どうしてそうなった」という顔をしていた。
「頭が良い、とかの理由で決めたくはないですが、確かに一理・・・」
「せ、先生、待って下さい! 俺より柊の方が良いっすよ、絶対! こういう場で手を挙げて意見を言うというとか、そんな度胸のある人が向いてるんじゃないんすか?!」
暁君が必死に、だが真っ当な理由と共に柊君に振った。
いや、推薦が挙げた人に返ってくるって、どういう状況だよ? ある意味すげぇ。
「え…僕?」
柊君がキョトンとした表情で周りを見渡す。何せ、彼の最初の発言からまだ1分と経っていない。事態の急展開についていけてないようだ。
しかも、彼は誰かに“押しつける”という行動はできないだろうから、学級委員推薦騒動はこれで終わるはず。
・・・と、思っていたのだが。
「先生!私学級委員やります!」
「ズルい! 私よ!」
「じゃあ間をとって私!」
今度は女子たちが学級委員の座を巡り、争い始めた。
この争いに勝ち、学級委員になった暁には、柊君と一緒に活動できる時間が増えると考えたのだろう。
・・・柊君、罪な男だなぁ。
「でも僕は…」
さっきの堂々とした推薦はどこに行ったのか、急にひ弱な様子を見せる柊君。彼は元々アレな事情があるから、人前に出て目立つようなことはしたくないだろう。
それを知る俺からすれば心は痛むが、まぁ人生経験って大事だと思うからね、うん。
「中々決まりませんね…。それでは、くじ引きで決めますか?」
「「「え〜!?」」」
男子も女子も先生の意見に不満の声を上げる。
おっとそう来たか。だが確かにこの状況で、推薦で決まるとは到底思えない。となると、先生の意見が妥当と言えよう。
「ちょっと待って下さいね、今準備しますから」
そう言って先生は、皆の了承を得ぬままくじ引きの準備を始めた。
ふむ、俺が男子の学級委員として当たる確率は1/15。つ
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