レベル4 これは全ての始まりであり、大いなる叙事詩である。
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み殺すのに必死だった。
役者は素人、セットはちゃち、演出は煩雑、どうでもいい映像をさんざん流しておきながら要点はナレーションが殆ど話している。あと下手くそなサブリミナル効果。つまらないと思いながら隣を盗み見ると、夢値は画面に釘付けになっていた。
もう今の時点で視聴意欲が大いに削がれている(暇すぎてエキストラとして夢値が歩いているのを見つけた)が、仕方が無いので観続ける。
観始めてから90分ぐらい経った。話も大方終わりだろうか。夢値に尋ねると、全体で120分ぐらいだそうだ。
眠気覚ましも兼ねて、樢は情報を整理することにした。
ある墓荒らしが、ある王の墓から1つの小さな宝石を奪った。それがサンサーヴだ。
その宝石は太陽の光を吸収することで、人智を超えた力を所有者にもたらす物だった。
その墓荒らしは近くの小さな村に降りると、絶大な力を振るい人々を無理やり従わせていたが、ある日村人の1人がサンサーヴを盗み出して失踪してしまった。
そうやって幾年か経つと、サンサーヴはその村人の元をも離れ、サンサーヴのことは伝説として語られるようになった。そして、それを手に入れようと画策する者も跡を絶たなかった。時に強引な手を使うことも厭わない彼らは、ハンターと呼ばれるようになった。
その中の1人が、サンサーヴの宝石としての美しさに目をつけた。名を、トガ ディアンという。彼はサンサーヴを無力化し、自分の宝石コレクションに加えようとした。ディアンはサンサーヴを手に入れる為に、「アミゼ」を組織した。その中に夢値もいる。
ディアンは紆余曲折あってサンサーヴを手に入れたが、それを求めて多くのハンターが襲いかかってきた。
アミゼのメンバーは決闘でそれを追い返し続けているが、それもやり続けられる保証は無い。ジリ貧になりそうな中で、ディアンがある1つの作戦を提案した。
と、ここまでは観終わったが、今はそこから場面が変わって、病院のシーン。ディアンが、明かりが仄暗い部屋で1人の医者と対峙する。どうやらここは、歯医者のようだ。
これが樢と関係のあるノンフィクションという時点で、樢は思い当たりがあるし良い気はしなかった。
『なぁ……ボイサさんよぉ』
ディアンはボイサに悪役のような笑みを向けた。
『子供に、いい暮らしさせたくないですかねぇ?』
ディアンが指を鳴らすと、黒服にサングラスの男が2人、アタッシェケースを2人で持ちながら現れた。
『……』
ボイサは視線をゆらゆらさせている。小刻みすぎて、観ているだけで酔いそうだ。
『ふっふっふ』
ディアンがニタリと笑うと、黒服2人がアタッシェケースの中を開いた。
中には、戦隊ヒーロー物の合体ロボットのおもちゃと大量の緩衝材が入っていた。
『息子さん、好きでしょう?』
『…
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