暁 〜小説投稿サイト〜
宇宙を駆ける狩猟民族がファンタジーに現れました
第三部
名誉と誇り
にじゅうご
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私は不本意ながら勇者ですので、前衛でしょうね。
 シックスパック丸出しの紙装甲ですが。

「上手い具合に、死体の残骸を追ってますね」
「……あの集団はどれ程の強さだ?」
「強さですか? そうですね、中級……。細かく言えば中の中位ではないでしょうか」

 冒険者にはこれといってランク付けのようなものはされていないらしい。
 そんなことをしては管理が面倒であるし、そもそも依頼の危険度自体を自らの力で推し量れないような輩であるなばら、どうちらにしろ長く続かないとのことだ。
 失敗すれば自分の信用問題にも関わってくるので、自然と冒険者は慎重になるとのこと。

 では、この者達はどうであるのか。

「恐らくではありますが、かなり条件を限定しての依頼なのではないかと思います」

 なるほど。条件付けしての依頼の出し方と言うわけだ。
 ある程度依頼内容に幅を持たせ、どこまでそれを行うかは冒険者自身の裁量に任される。あとは報酬を歩合制や追加報酬という形で銘打っておけば、それなりに腕に自身のあるものが依頼を受ける可能性があるというわけか。

 確かに、傭兵団と違って明確な依頼を出さずとも、依頼に幅を持たせることができ、割高ではあるが金さえ払えば意外と気軽に依頼を掛けることができるわけだ。
 それに、移動速度も5名程度であれば意外と融通が利きやすい。

 ふむ……。

 あと気になるところと言えば、依頼主がどこのどなたか、ということである。

「大元は国で間違いないと思います。ただ、足が付かないように巡り巡っているとは思いますが……」

 足がつかないように手配する必要性……。

 まだ総隊長以下、騎士団の現状は国民には秘匿されているとみるべきだろう。
 防衛の要、軍の中核に位置する存在だ。
 それが瓦礫したと諸外国に知られたとあれば、外交上、問題を抱えることを意味し、付け入る隙を与えることになる。
 最悪、戦争が始まってもおかしくないだろう。

 自らが招いたこととは言え、不思議と罪悪感などは抱かない。

 が、エリステインは少々私とは異なるようだ。
 それもまあ、当然と言えば当然で、彼女はこの国の国民であり、延いてはその国民を護る盾であり、敵を砕く矛となる騎士であったのだから、胸の痛みに苛まれても仕方がない。

 その原因を作った私から、彼女に掛ける言葉は持ち合わせていない。

 憎むなら憎めばいいし、私を責め立ててもそれはそれで構わない。結局、どのような行動に出ても苦しむのは彼女であるからだ。
 そして、彼女は賢明な人物だ。決して後ろ向きそのままなどということはないだろう。

 以前、本当に私と共にいるのかそれを聞いたことがある。

 もちろん、メリット、デメリットを説明した上でだ
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