第80話 予想外の事は何時も予想外のタイミングで起こるから予想外と言える
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玉はふわふわと宙を舞い、やがて其処から形が象られていく。
始めに光の玉は徐々に大きくなり、其処から手足が生え、やがて形を構築していった。
「これが、先ほどの言葉の意味ですよ」
「そう言う事。理解できた?」
目の前で起こったその光景に桜月は勿論、銀時すらも度肝を抜かれる事となった。
二人だ! そう、目の前でなのはが二人に増えたのだ。
いや、正確に言えばなのはとシュテルが分かれたとでも言うのだろうか。元々似たような顔つきだったのかも知れないがまさかこうもそっくりに分かれるなんて思いもしなかった。
顔つきは勿論の事髪型や身に纏っているジャケットの柄までそっくりなのだ。
まるで手品でも見せられているかの様な感覚に見舞われた。
「な、ななな……何だお前ら!? ふ、増えた……のか?」
「別に増えた訳じゃないよ。ただ、私とシュテルが分かれただけの事だよ」
「体内に流れる魔力を使い、中枢にあるジュエルシードを用いればこれくらいの事は簡単にできます。所謂一種の分裂行動とも言えるでしょうね。最も、理論だけで出来る事では有りませんが」
要するになのはとシュテルにしか出来ない芸当と言う事だ。なのはの魔力と体内に埋め込まれたジュエルシードを利用して何やかんやで体を二つに分ける事が出来たのだと言う。
良くある『影分身の術』とかに似た部類の事なのであろう。
そう思えば別に珍しい事ではない。だってジャンプでも良くナ○トとかが頻繁に使ってる技なんだし。
「それにしても……本当に私そっくりなんだねぇ。こうして会うのは初めてだよね」
「始めても何も、私はつい先ほど覚醒したばかりですからね。ほぼ初対面と言う方が正しいと思いますよ。それに私はどうやら貴方をモデルに象られた存在の様ですので貴方に酷似していて当たり前の筈です」
「へぇ〜、でも中身は全然違うね。戦い方も全然違うし。ひょっとしてシュテルはさっきみたいな変な玉とかを飛ばして戦うタイプなの?」
「正確には魔力弾です。私は貴方とは違い接近戦に乏しい面がありますのでそちらの戦い方の方が有利に事を運べるのです」
「ふぅん。私はどっちかって言うと拳での方が得意だな。小さい頃からそればっかりだったし、そっちの方が喧嘩しているって感じがして実感湧くしね」
「喧嘩と戦いを混合するのは少々無謀なのでは?」
唐突に二人のなのは? それともシュテル? とにかく、二人の似た者同士が互いに語り始めてしまった。自分自身と語り合うなんて恐らく一生あり得ないレアな事をやっているからだろうか。敵をそっちのけで話に花を咲かせている。
が、そんな二人の会話を断ち切るかの如く桜月の斬撃が二人目掛けて飛び込んで来た。
「何時までもくっちゃべってるんじゃねぇよ! 二人に増えたってんなら二人
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