第25話 湯ぶねの2人
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川神よりも強い奴が敵にに来ても、人質を使ってくる可能性もあるだろう。だからこそ俺はそれらの理不尽に負けないように。守り切れるように日々鍛え続けてるんだ。――――納得したか?」
「一応は・・・」
「後、言い忘れていた事があるんだが」
「ん?」
「俺が守りたいと思ってるのは勿論、お前も入ってるんだぞ、川神」
「私は誰かに守られるほど弱くないぞ?」
士郎からの追加の言葉を侮辱と受け取ったのか、百代は剣呑さを湯船に浸かりつつも露わにする。
けれどその次に出てくる言葉でそれも見事に消える。
「強いとか弱いとか関係ない。川神は可愛い女の子だろう?男として、いざという時くらい守らせてくれ」
「んなっ!!?な、ななな、何言ってるんだ!」
百代はこれまで、仲間であろうとファンであろうとすれ違い程度の他人であろうと、幾度も可愛いとか美人とか言われて慣れていた。
それ故、今さら誰にその手の事で褒められようとも今までと同じ反応をするはずなのだが、士郎の褒め言葉には何故か褒められることに対して耐性のない女の子の様に頬を染めながら驚く様なリアクションをした。
因みに流石に動揺したので、絡めていた腕の拘束を解き、士郎へと体ごと振りむいた。
しかし士郎自身は依然として背を向けたままだ。当然ではあるが。
「何で驚いてるんだ?だからと言う事じゃないが、確か川神は言われ慣れてなかったか?」
「ッ!あ、ああ、言われ慣れてるさ!」
そっぽを向くように後ろを向こうとしたが、そこで士郎の背中で目が止まる。
(衛宮の鍛錬を始めて見た時も思ったが、コイツの背中って結構大きいんだな)
髪の色が赤銅色ではあるが、士郎は何所まで行こうと生粋の日本人。
その為、本場のアメリカ人の体格に比べれば小さいのだが、少なくとも百代には大きく見える様だ。
百代はそのまま士郎の背中をなぞるように触る。
「川神?」
「・・・・・・・・・」
何故か背中に手を当てられたのか不思議がる士郎だが、百代は取り合わない。
寧ろこのバカンス中で感じ、大きくなっていた不快感が噴き出す。
それは士郎の言葉にだ。
「川神、如何し――――」
「百代」
「ん?」
「私の名前は川神百代だ」
「いや、それ位判って――――」
「だったら如何して呼び方が川神なんだ!」
百代が士郎に憤慨している点がそれだった。
呼び方に違いを出す為と本人の希望で、一子の事はそのまま一子と呼んでいる。
最初は川神ちゃん或いは一子ちゃんだったが、ちゃん付けされるのは慣れていなくてくすぐったいと言う事で呼び捨てだ。
京はそのまま自然にそう呼び、クリスはと由紀恵も本人からの希望で呼び捨てだ。
しかし百代
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