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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第501話】
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一夏も既に居なく、俺は自販機で二人分の飲み物を購入して自分の部屋へと戻っていった。

 一方その頃――暗闇に飲まれた室内で、投影ディスプレイの明かりが煌々と輝く一室。

 明かりに照らされた室内には、用途不明の機材の数々と、未使用のISコア複数が乱雑に置かれていた。

 その一室の中央、腰掛けた椅子に凭れかかり、ディスプレイを眺める女性が一人。


「……ふーむ。 システム稼働率があがってきたのはいいけど、原因不明の搭乗者拒否……かぁ。 ……まあそっちは、此方が幾らでも出来るから雑作もないことだけどねー」


 言いながら空中投影されたキーボードを叩き始めた女性――篠ノ之束だった。


「それにしても、あれだけ用意した『ゴーレムV』とその強化型である『ハーミット』が破壊されちゃうとは予想外だったなぁ。 ……後、あんな連中が出てくるのも想定外だし」


 あんな連中――遥か上空、成層圏で戦いを繰り広げたイルミナーティの事だった。

 だが、束の技術を持ってしてもそのボスである【ウィステリア・ミスト】の機体の出所が分からない、そもそも登録されたコア及び登録されてないコアですら把握している束がその機体が分からなかった。

 イレギュラーな存在だが、束にとっては道端の石ころ程の存在にしか感じず、考えるのを止める。

 だが――。


「それにしても……あの銀髪はしぶといねー。 今回の舞台で、退場願う予定だったのにさー」


 そんな独り言をごちりながら、表示されたパーソナルデータを眺める。

 そこに映し出されていたのは篠ノ之箒のパーソナルデータだった。

 それを眺めながら思案する束、クスッと口角を吊り上げて笑みを溢すとそのデータを纏めた。


「でも、ちーちゃんが出撃しなかったのは予想外だったなぁ」


 成層圏で撃破された機体と学園上空で撃破されたのを除いたとしても、規模的に見て千冬が事態を収拾すると思っていた――無論、有坂ヒルトを退場させた上での目論見だが。

 初代『ブリュンヒルデ』の座に導き、日本製第一世代型ISである【暮桜】を駆って――。


「ちーちゃんが持ってる筈なんだけどなぁ……。 んー……」


 顎に手を当て首を傾げる束――と、閃いたように表情が花開く。


「そっか、そっか。 ちーちゃんならあそこに……ふふん」


 無邪気な笑顔に潜む悪意、だがそれを見抜ける人間は今この場には誰も居ない。

 ――と、背後のドアが開く、背の低い華奢な少女が一人入ってきた。

 流れるような銀色の髪――だが、束が忌々しく思っている男のそれとは違う色合い、純粋な銀色の髪で腰まである髪を太い三つ編みにしていた。


「束さま」


 そ
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