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SAO−銀ノ月−
第百八話
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ってショウキくん。これ、一番栄える場所にカタナしか置いてないからなんじゃ……」

「――なるほど」

 思ってもみなかった事実がレインの口から判明し、無意識に武器を並べた俺が全ての元凶だったと心底納得する。事実、レインの言うように武器を並べ直したところ、いつものリズベット武具店の雰囲気が完全に再現されたのだから。

「レインが来てくれて助かったよ!」

「……ユウキなんて可愛い武器を並べる、しか言わなくて」

「そもそもショウキのせいだったじゃん!」

 再びエギルの店の喫茶席を間借りして、お礼のミルクたっぷりなコーヒーを二人に出しながら、ひとまず一息をついて。目前で漫才のようなやり取りをしだす俺とユウキに笑っていたレインだったが、ふと、その笑みを浮かべていた表情に影が差していた。

「何か、ユウキに話があって来たんだろ?」

「……うん。ありがとう、ショウキくん」

 先日、ユウキがスリーピング・ナイツのみでのフロアボス攻略を提案した時、見るからにレインの様子はおかしくて。ユウキが狩りに行くために店の外に出て行った後、急用が出来たと突然ログアウトしていった。言いにくそうだったレインだったが、俺に促されてようやく小さく笑みを浮かべた。

「……ふぅ。ユウキちゃん、ごめんね。私は、フロアボス攻略を手伝えない。……ううん、手伝えないどころか」

 ミルクコーヒーを一口飲んでから、レインは真剣な面持ちでユウキに語りかける。フロアボス攻略を手伝えないどころか、と言いながら、レインは一枚のアイテムを机の上に取り出した。

「あっ……」

 それはシャムロックのメンバーの一員である証の、現実で言うならば孔雀のような虹色の羽。セブン――七色という意味を込めた、虹色の髪飾りをレインが持っているということは。

「うん。私はシャムロックに入ったの。だから手伝えないどころか、敵ってことになるのかな」

 奇しくもそのギルドリーダーに、先程宣戦布告のようなことをしたばかりであり。沈鬱な表情をレインは隠さない――先日、ユウキからの提案を聞いてから今まで、どうするか悩んでいたのだろう。

 あのエクスキャリバー討伐戦を共にクリアした友人か、所属しているギルドの仲間たちか。

「だから、じゃあね。あんまり会えなくなると思うけど」

「そっ、か……ねぇレイン。一つ、聞かせてもらっていいかな?」

 シャムロックはもう敵みたいなものなんだから――と、立ち去ろうとするレイン手を掴み、制止しながらユウキは一つだけ質問する。

「……なに?」

「レインって……セブンのお姉ちゃん、なの?」

「――――」

 突如としてユウキが放った言葉は衝撃的なもので、俺とレインは揃って言葉に詰まってフリーズした。俺に
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