暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(3rd篇)
外伝〜太陽の娘と冒険家の邂逅〜(4章終了)
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ステルはアドルに様々な質問をしたが、その全てをアドルは考え込むことなく迷いのない目で答えた。

「ど、どうやら本物みたいね………」

「”赤髪の冒険家の冒険日誌”は有名な物語ですけど、まさか実際の話だったなんて………」

質問が終わったエステルは呟いた後、口をパクパクさせ、クローゼは信じられない表情でアドルを見つめた。

「あ、あはは………もう滅茶苦茶な状況ね…………って………あ。」

そしてエステルは引き攣った笑みを浮かべた後、ケビンとリースに気付いた。



「はは………久しぶりやね。」

エステルに視線を向けられたケビンは何かを耐えるような様子で笑顔を無理やり作って言った。

「ケビンさん………!?それに………えっと、そちらのヒトは?」

「………星杯騎士団の従騎士、リース・アルジェントと申します。ファラ・サウリン卿の噂はケビンや皆さんからかねがね。」

「あ、そうなんだ…………うん、どうも初めまして。ちなみにその”ファラ・サウリン卿”っていうのや先に言っておくけど”様”付けもやめてね?公式の場ならともかく、知り合いの人達にそんな呼ばれ方したくないし。」

「しかしまあ………さすがエステルちゃんやな………君がおるだけで………場が一気に明るくなったわ………」

リースとエステルが自己紹介を終えると、ケビンは感心した様子でエステルを見つめた。

「そ、そういうもの?………って………ケビンさん、どうしたの?なんか顔色が悪いんだけど…………」

「え………」

エステルの言葉を聞いたリースが驚いてケビンを見つめたその時

「くっ………」

ケビンは呻いた後、地面に膝をついた!

「!?ケビン!?」

地面に膝をついたケビンをリースは心配そうな表情で呼びかけた。

「すまんリース………さっきの話はまた今度や…………」

呼びかけられたケビンは方石をリースに手渡した。

「え…………」

「しばらく…………お前に任せる…………今はとにかく…………先に進んで…………」

そしてケビンは地面に倒れて意識を失った!

「ケビン………!?」

「ケ、ケビンさん!?」

地面に倒れ、意識を失ったケビンにリースは大声で呼びかけ、エステルは慌ててヨシュアと一緒にかけよった。

「くっ………さっきのあれの反動か!?」

「………まさか私の魔槍を一時的に使役したせいでしょうか………?」

「え、え………ホント何がどうなっているの!?」

ヨシュアとリタの話を聞いたエステルは困惑した。

「………ケビン………!ケビン………しっかりして…………!」

そしてリースはケビンの名を何度も呼んだが、ケビンは何も返さず地面に倒れたままだった。




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