第33話
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ロアの魔槍”から離れ、”魔槍ドラブナ”と共に姿を現したリタは困惑した表情で呟いた。するとケビンの目の前に2つの封印石が現れ、ケビンはそれらを回収した。
「あ………」
「フン………今のヤツが持ってたんか。」
ケビンの行動をヨシュアは呆けて見つめ、ケビンが鼻を鳴らしたその時
「フフ……上出来だ、ケビン・グラハム。」
なんと影の王が転位陣の前に現れた!
「貴様………」
「あの変な仮面とマントを着た人が”影の王”………!」
ケビンは影の王を油断なく睨みつけ、ミントは仲間達から聞いた影の王の特徴を思い出して真剣な表情で呟いた。
「『―――次なるは獣の道。新たな供物を喰らい、汝が印を発現させるがいい。さすれば煉獄の炎はさらに猛り、我が王国は真の完成に近づく―――』クク、中途半端ではあったがまさに伝えた通りであろう?」
「…………………お前………何者や………?その悪趣味な仮面……いいかげん外したらどうなんや?」
不気味に笑っている影の王にケビンは静かに問いかけた。
「フフ、お望みとあらば。しかしケビン・グラハム………本当にそなたはそれを望んでいるのかな………?」
「え…………」
しかし影の王の問いかけにケビンは驚いて呆けた。
「そなたが望むのなら私はいつでも仮面を取ろう。どうかな、ケビン・グラハム。そなたは本当に………私の素顔を知りたいのかな?」
「……………………オレ…………は…………」
「ケビン…………」
影の王の問いかけに考え込んでいるケビンをリースは心配そうな表情で見つめた後、起きあげって、ケビンをかばうように法剣を構えて、影の王を睨んだ。
「影の王………!戯言はそれぐらいにして………!何があるのか知らないけどケビンを惑わすのは許さない………!」
「フフ………私が惑わせているのではない。彼自身が惑うことを選び続けているだけのことさ。」
「…………っ……………」
「クク………これで”太陽の娘”と、”冒険家”が解き放たれる。そちらの駒もある程度揃い、ようやく本格的な遊戯盤が用意できるというものだ。」
影の王は不気味に笑った後、詠唱を開始した。
「あ………」
「くっ………!」
「待ってください!ご主人様達は………セリカ様とエクリア様はどこにいるのですか!?」
影の王の行動を見たリースは驚き、ヨシュアは唇を噛み、シュリは懇願するような表情で叫んだ。
「フフ、心配せずとも最後の”使徒”に関しては次なる道にて解き放たれる。”神殺し”は解き放たれる前の”試練”として面白い”試練”を用意してあるから、その時を楽しみにしているがいい。――――次なるは夢魔の道………光と影の狭間を渡りながら白と黒の駒を揃えるが
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