第29話
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ないとは!」
シェラザードの言葉を聞いたケビンは苦笑し、オリビエは冗談か本気かわからない芝居がかかった悲しみ方をして叫んだ。
「はいはい。普通だったらって言ったでしょ。第一、こんな馬鹿げた幻術、誰が仕掛けたりするもんですか。それに夢にしてはあまりにも整合性が取れすぎているしね。」
「はは、違いない。」
「信じてもらえて何よりです。さっそく協力してもらってもええですかね?」
シェラザードの答えを聞いたジンは豪快に笑い、ケビンは頷いた後尋ねた。
「ええ、もちろんよ。聞いた感じだと、エステルとミント、それにもしかしたら師匠も取り込まれているみたいだしね。遊撃士として、姉貴分として、弟子として喜んで一肌脱がせてもらうわ。」
「シェラさん………」
「ありがとうございます。」
「フフ………良い弟子をお持ちになったのですね、ペテレーネさん。」
「ええ。お母様は『自分なんかには勿体ない』と仰ってますが、2人とも良い師弟関係ですよ。」
「フッ、さすがシェラ君。相変わらずの気っ風の良さだ。」
シェラザードの答えを聞いたヨシュアとツーヤは感謝した表情で見つめ、ティナは微笑んで呟き、ティナの言葉を聞いたプリネは微笑みながら頷き、オリビエは感心した様子でシェラザードを見つめた。
「おおきに、助かりますわ。―――状況についてはだいたい説明した通りです。今はその”第四星層”を探索してるまっ最中ですわ。」
「ふむ………ル=ロックルの訓練場か。あたしも何年か前に訓練生として使った場所だわ。その意味では………あそこで訓練したことのある人間が放り込まれたのかもしれないわね。」
「なるほど………あり得るかもしれんな。」
「エステルちゃんとミントちゃんは当然として…………クルツ先輩にグラッツ先輩、カルナ先輩も候補に入りそうですね。」
シェラザードの推測を聞いたジンは頷き、アネラスは不安そうな表情で呟いた。
「ふむ、どうかしらね。あの3人は、どちらかというと教官として行ったみたいだし。たしか3人とも純粋な訓練生として使ったことはなかったんじゃないかしら?」
「そうだったんですか…………」
「あ、あの、シェラさん………アガットさんってその訓練場を使ったことは………?」
シェラザードの話を聞いたアネラスは意外そうな表情をし、ある事に気付いたティータは不安そうな表情で尋ねた。
「うん………確かあったはずよ。カシウス先生にまんまと乗せられて酷い目にあったとか言ってたから。4年くらい前じゃないかしら。」
「そ、そーですか…………お姉ちゃんとミントちゃんとレンちゃんも、アガットさんも捕まっているかもしれないなんて………」
「ティータ………」
「………大丈夫
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