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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(3rd篇)
第28話
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くしては語れない波乱万丈にして震天動地の物語があってだね………」

「というよりも………率直な疑問なんですが。どうして僕たちよりも先にこの場所に来ているんですか?」

「そういや、オレたちよりも先に転位陣に入ったってことか?」

ヨシュアの疑問を聞いたケビンはある事に気付いて尋ねた。

「フッ、城で君達と別れた後、僕は市街で甲冑兵に囲まれたんだ。そして獅子奮迅の働きで迫りくる甲冑兵をなぎ倒すうちに何か渦のようなものに巻き込まれてね。ふと気付いたら、絶景を望む建物の前に移動していたのさ。おお、なんという奇跡!女神達はこのギルバート・スタインを物語の主人公に選んだに違いない!」

(ケビンさん、それって…………)

(ああ、戦闘中にたまに発生する”渦”に巻き込まれたんやな………しかしそれで偶然”第四星層”に飛ばされるとは…………)

ギルバートの説明を聞いたヨシュアとケビンは仲間達と共に脱力した後、呆れた様子で会話をし

(あはは………運がいいのやら悪いのやら………)

(フッ………呆れるほどの悪運ぶりだね。)

(え、えっと………女神”達”という事は我が母なるイーリュンも入っているんでしょうか………?)

アネラスは苦笑し、オリビエは感心し、ティナは引き攣った笑みを浮かべていた。

「フッ、感動のあまり声も出ないといったところか。フフ………無理もないだろう。」

「ま、別の意味で感動すら覚えるけどな………それでどうして宿舎から離れてこんな場所に?やっぱ探索でもしてたんか?」

「ギクッ………」

自慢げに語っていたギルバートだったがケビンの疑問を聞いて表情をひきつらせ

「そういえば………さっ『もう2度としません』とか『ほんの出来心』とか言ってましたけどあれは何だったんですか?」

「は、はは………ナンノコトダイ?」

さらにヨシュアの疑問を聞くと片言で答えた。するとギルバートのお腹の音が鳴った。

「ち、違うんだ!これはその………ただ気が抜けただけで………」

お腹の音が鳴った後、自分を黙って見つめるケビン達にギルバートは言い訳をしたが

「………ひょっとして………空腹のあまり、さっきの獣人どもから食料でも盗もうとしたんか?」

「ギクギクッ………」

ケビンの推測を聞いて、図星をつかれた表情をした。

「えっと、その………恥じることはないと思います。やはり食というのは大事ですよね。」

「そ、その………ビスケットでも食べる?おやつに持ってたんだけど………」

「ギルバート………その、よかったら僕たちの”拠点”に来ますか?」

ギルバートの様子を見たクローゼはフォローの言葉を言った後苦笑し、アネラスとヨシュアは哀れむような視線でギルバートを見つめながら
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