4部分:第四章
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第四章
そしてそのアイスを食べながらだ。言うのだった。
「私なんかテレビにはまだなのに」
「夏希はこれからだろ?」
「モデルの仕事はじめたばかりじゃない」
「まあそうだけれど」
叔父夫婦のその言葉に応えながらアイスクリームを立って食べている。そうしながらテレビを観ているのである。場所は冷蔵庫のすぐ前だ。
「それでも。テレビに出られるなんてね」
「羨ましいか?」
「それが」
「正直言って」
まさにそうだというのである。
「羨ましいわね」
「まあどっちかっていうと」
「この人の場合はね」
画面の中で絶叫している彼女を観ながらの言葉である。
「指名手配犯みたいなものだからね」
「いい意味じゃないから」
「そうね。それはね」
北朝鮮がどういう国家かはもう言うまでもない。夏希もよく知っている。
「はっきり言って」
「だから気にすることはないよ」
「そうそう」
「そうね。ところで」
叔父夫婦の言葉に納得してからあそのうえで問うのだった。
「このいつものおばさん何て言ってるの?」
「いつものことだよ」
「将軍様とか報復とか言ってるわよ」
まさにいつもの主張であった。
「何か無慈悲な復讐とか何とか」
「狼の如きとか」
「本当にいつものことなのね」
夏希もそれを聞いて納得した。
「ちょっと気に入らないことがあったのね」
「そういうことだよ」
「本当にいつものことだから」
「何だ、そうなの」
それを聞いて納得した夏希であった。
「それだけなの」
「そう、まあ何かするかも知れないけれどね」
「我儘言って」
「またミサイルでも撃つのかしら」
そしてこんなことを考えたのであった。
「今度も」
「さあ。するんじゃないの?」
「気に入らないことあったらすぐそんなことする国だし」
「何をしても不思議じゃないからね」
「そうよね」
「それじゃあ」
ここで夏希は言うのだった。
「本当にミサイル撃つのね」
「まあそれじゃないのか?」
「それでまたこのおばさんが喚くのよ」
「いい加減飽きたけれど」
夏希は冷めていた。実にクールな調子になっている。
「もうミサイル撃って核だとか戦争だって聞くのは」
「この国はそういう国なんだよ」
「ほら、よく街でいるでしょ?」
おじさんとおばさんも実に容赦がない。
「自分の言うことが聞いてもらえないと暴れる子供」
「それなのよ」
確かにそうとしか見えないのが困ったことではある。
「そういうのだって思って」
「聞き流すことも必要よ」
「困った相手なのね」
このことをあらためて言う夏希だった。
「どちらにしろまたミサイル撃つのね」
「そうじゃないかな」
「今度もね」
おじさん夫婦も彼女の言葉にう
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