暁 〜小説投稿サイト〜
大丈夫、な訳がない。
序の章
ハジマリ×シドウ
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
でさせられる事となる。めきめきと成長した私は、およそ半年で念の四大行と応用技を習得していった。

 ……そして明日は、いよいよ私の念系統が分かる日である。

 私は明日が楽しみで楽しみで仕方がなくて、解いた髪を弄びながら、屋根裏部屋の窓から外を眺めた。
 藍よりも濃い空に浮かぶ淡くカラフルな星をぼんやりと見つめながら、これまでの事、これからの事を考えた。この世界に来てからというもの、こうやってじっくりとものを考えたことは無い。ふと思いついたように机を漁り、一通の手紙を取り出す。
 三年前、私がこの世界に来た時に貰った手紙。相変わらずムカつく内容だけど、今はそれも懐かしく思う。

「星空の綺麗な今宵、夜空を見上げたあなた様は如何お過ごしでしょうか。
 私は、この手紙を神様に書けと言われたので書いています。めんどくせえ。
 ああいえ、なんでも無いのです。
 こちらには、あなた様が今回獲得なされた特典について、お話させて頂きます――」

 そうやってなんと無く音読していると、ふと以前と文面が変わっていることに気がついた。というより、明らかに変わっている。
 そのまま読み進めると、特典とやらが変化している事に気づいた。
 内容が衝撃的過ぎて、私は唖然とする。
 そこには、もうこれ以上見た目が変化しない事や、私のこれからに着いても書かれていた。
 その中でも特に目を引くのは、この部分だ。

【貴方様は協議の結果、これからも世界線を飛ぶ事になりました。是非この世界で力を付け、他の世界にも通用できるように備えてください。
 また、貴方様の元に、後日旅の仲間として私が同行する事になりました事をお知らせしておきます。物凄く面倒です。どうしてくれましょう】

 二度見した私は何も悪くないと思う。
 これは何かの夢だと思いたかったけど、頬を抓っても何も起こらない。これ仕方の無いことなんだろう。時計を見ればもう一時を回っていた。
 この手紙の内容がいつ変わったのかは知らないが、あのものぐさな天使が来るのが明日でないことを祈りながら、私は現実から目を背けるようにベッドに潜り込み、眠りについた。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ