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大丈夫、な訳がない。
序の章
ハジマリ×シドウ
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由をつけてはよく来ていたそうだ。……私の修行が始まってからは、その頻度は増したらしい。
 そんな彼女がパタリと来なくなって早くも二ヶ月が過ぎようとしていて、二人とも心配していたのに、これは一体どういうことなのだろうか。

「まあまあ、ちょっと見るヨロシ」

 そう言ってごそごそと鞄を漁った彼女は、一枚のカードを取り出した。
 私は怪訝そうにそのカードを見る。このカードが一体どうしたの?
 そう首を傾げたとき、背後からにゅっと飛び出るような気配がした。直後、間延びした声が聞こえる。

「おー、ハンターライセうおっ?!」
「「はぁ!!」」
「……なんだ師匠か。背後から声かけないでよびっくりするじゃん!!」
「ハオ!き、き急に話しかけるのはやめるヨロシ!び、びくりしたネ……」
「おう、俺が悪かった。悪かったから背負い投げするのはやめろ。リュカも顔面蹴んな。超痛い」

 驚いた私は思わずハオを背負い投げし、リュカはそうして投げられてきたハオの顔面へ強烈な一蹴りをお見舞いしていた。
 ずるり、と肩に下げていた鹿を落としながら、ゆっくりと地へ落ちるハオに、同時に謝る。
 ハオは立ち上がって服の埃を払うと、ごほん、と咳払いしてリュカのハンターライ……とやらを指差した。

「ユリカ、お前は知らないようだから話しておくな。リュカが持ってんのは"ハンターライセンス"っつってな、これ一枚で身分証明書にもなる代物だ。売れば一生遊んで暮らせる」

 ドヤ顔をするリュカを横目に、説明された内容に感嘆の声をあげる。今の私は身分があって無いようなものだから、それが取れれば物凄く嬉しい。
 そんな私の考えを察したのか、ハオは私を軽く睨み、低くおい、と声を出した。

「お前、ハンターライセンスを取ろうなんて考えてんじゃねぇだろうな?」
「ひぃっ?! まままままさか滅相もない!!」

 元々目付きの悪いハオが睨むと、それだけで強い威圧感が私を襲う。私は思わずどっと汗をかいて顔を背けた。……前よりもぞくりとする感覚が少ないのは気のせいだろうか。
 怯えつつもハオの顔を伺うと、何故だかそこに浮かぶのは忌々しくも感じる程の笑顔。
 これは何か企んでいる時の顔だ。間違いない。と、そう確信した。

「いーこと思いついたぞ。ユリカ、お前ちょっとハンターライセンス取ってこい」
「はぁ?!」
「そうと決まれば早速修行だな!! 昼飯はリュカに作ってもらうとして……よし、ちょっとこっち来い!!」

 私が疑問を発する前に早口でまくし立てたハオは、リュカに調理を頼むと立ち上がり、私の服の首根っこを掴んで山小屋へと引きずっていく。私が手足をじたばたさせて抵抗するのも虚しく、私は山小屋へと連行された。
 山小屋の中で、私は念修行と言うものを泊まり込み
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