序の章
ハジマリ×シドウ
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に指差しちゃいけないって教わらなかったのか? とまぁ、そんな冗談は置いておいて。
ハオはアドバイスとして、オーラが身体中に巡り、循環しているイメージをした後、それがゆっくりと身体の周りに留まっていくイメージをしろ、と私に言うと、切り株に勢いよく座り込んだ。
私はアドバイス通りにイメージをして、纏を行う。
「なんだ、上手く出来んじゃねぇか」
その言葉の通り、私は上手く纏をする事が出来たらしい。ハオはほぉ、と感嘆の声を上げると、それと同時に最初からやれ、と私を叱った。
そうは言われても、この朧気な知識ではどうにもできまい。
第一、実を言うと私は原作を少ししか読んでいない。幼い頃、友達に借りてたまに読んでいただけだからだ。
まあ、そんな事情はハオは知らないから、念を知っていたなら最初から上手くやっていろ、ということなんだろうが。
「よし、じゃあ今やってる纏のイメージを忘れんなよ。意識しなくても出来るようにしとけ。その状態でいつものメニューをこなすこと。俺はちょっと昼飯の材料を採りに行ってくる」
「えっ、マジかよ……って、もう居ないし」
ハオは言うだけ言うと、山に入って行ってしまった。私はただ、呆然とそれを見送るしかない。
……とりあえず、走り込みからやろう。
私は静かに準備運動を始めた。
「はっ、ふっ……」
そういえば、私の毎日の基礎メニューは、大体走り込みから入る。筋トレしてぷるぷるになってからでは身体が着いていかなかったから。
……特に、最初は。
走り込み、と行っても学校の運動部がやっているような単調なものじゃない。
山にいる野生動物やらと戦ったりしながら、山菜を集めるのだ。それも、何故か時間制限付きで。
初めはその時間も二時間と長かったのだが、今ではもう三十分という僅かな時間で集めなければならない。すると、自ずと走る様になる。
しかも、此処は中々標高が高い山で、足場も悪く全身の筋肉を嫌でも動かす事になる。
まあ、お陰で筋肉が無くぷにぷにだった身体は程よく引き締まり、前世の十三歳時よりも段違いにスタイルが良くなってはいるが。
そんな事を考えながら走っていると、タイムリミットの三十分が経とうとしていたことに気付く。早く戻らなければ。私は山頂へと足を向けた。
山頂に着くと、そこには久しく会っていなかったリュカが、切り株に座っているのが見えた。
私が近づくと、足音で気が付いたのかリュカがこちらを向いて笑いかけた。
「やほーネ、ユリカ。久しぶりヨ」
「うん、久しぶり。最近来てなかったけど、どうしたの?」
背負っていた籠を、年季の入ったテーブルの上へ置きながら問いかける。
リュカは、私の修行が始まる前から、ハオの修行場所であるこの山へ、何かと理
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