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奇奇怪怪
2部分:第二章
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第二章

「三日後だけれど」
「それじゃあ受かるようにな」
「今から美味しいもの食べに行きましょう」
「美味しいもの?」
「敵に勝つだから」
「ステーキとカツでどうかしら」
 叔父夫婦がこう言うとだった。ここで夏希はこう返すのだった。
「お蕎麦がいいわ」
「蕎麦!?」
「それでいいの」
「うん、それで」
 いいというのである。
「蕎麦大好きだから」
「蕎麦でいいのか」
「夏希ちゃんは贅沢しないのね」
「っていうか蕎麦がきも好きだし」
 それも好きだというのである。東北の郷土料理である。
「岩手行ってわんこ蕎麦も食べるし」
「それだからお蕎麦か」
「わかったわ」
 それを聞いて頷く叔父夫婦だった。そのうえで言うのだった。
「よし、じゃあざる蕎麦にするか」
「東京はお蕎麦の本場だしね」
「天ざるな」
「好きなだけ食べていいからね」
 こうして夏希はその蕎麦を笑顔で食べるのだった。それは確かに美味かった。そして蕎麦を食べて思うのだった。
「受験に受かればいいな」
 こう思うのは当然のことだった。テストを受けるからにはだ。そうしてそのうえで受けてみるとであった。その結果は。
「おお、受かったのか」
「よかったじゃない」
 合格発表の時は実家に帰っていた。そこに合格通知が来たのである。両親はそれを見てすぐに本人に笑顔で告げてきた。
「それじゃああんた上京するの?」
「東京の大学に入るんだな」
「ええ、そうするわ」
 彼女はにこりと笑って両親にこうするというのだった。
「折角だしね」
「よし、じゃあ向こうでもな」
「しっかりやるのよ」
「しっかりやるつもりはないけれどね」
 この辺りは能天気な夏希らしかった。
「適当にやるし」
「御前その辺りは」
「子供の頃から変わらないわね」
「別にいいじゃない」
 両親の呆れた声にもこう返すだけだった。
「誰にも迷惑かけてないし」
「それはそうだけれどな」
「あんたそういうことはしないから」
「じゃあそういうことでね」
 能天気だけでなく適当でもあるらしい。この両者は時として両立する。そして仲良く並存するものである。
「東京行って来るから」
「よし、わかった」
「そういうことね」
 こうして夏希は上京し叔父夫婦の下宿屋の手伝いとしてそこから大学に通うことになった。はじまったキャンバスライフは実に快適だった。
 そしてその中でだ。今度はこう思ったのだ。
「友達一杯欲しいな」
 高校の時から明るい彼女はいつも友達が多くいた。だから東京でもこう思うことは当然だった。だからキャンバスライフに少し慣れたところでこう思うのも当然のことだった。
 するとだった。ある講義の後で。同じ講義を受けていて隣の席にいた女の子の一人に声をか
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