第110話 少年達は突き進むようです
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Side ネギ
「ぅ………。」
「ネギせんせー!き、気が付きましたか?」
「のど、かさん?ここは……。」
頭痛と酷い気怠さと共に目を覚ますと、目の前にのどかさんがいた。なんとか意識を保たせて
周囲を見ると、怪我をしてうめき声を上げる人が床に倒れ、白い修道衣を着た人達が回復魔法を
使っていた。その様子はまるで野戦病院のようで―――
「―――っ!の、のどかさん!戦況は!?」
まるでじゃない。ここは野戦病院なんだ。『完全なる世界』との開戦に愁磨さんが撃った魔法を
相殺する為に使った"太陽神猪"の消費魔力が大きすぎて、僕は気絶して運び込まれたんだった。
そうこうしている内にも、外から戦闘音が絶えず聞こえて来る。
ビー! ビー! ビー!
『合体シークエンスを開始します。副艦のクルーは速やかに退避してください――』
途端、明らかに他の音とは一線を画すあまりにも場違いな警戒音声に、最悪の戦況を想像する。
「な、何事ですか!?まさか愁磨さんが戦場に出ているんですか!?」
「変形合体ってだけで確定させんなよ。この戦場であの人の武装使えるのが一人いんだろ。」
「クルト提督が動いたんですか……こんなに早く裏切るなんて……!」
「こっちが思ったよりも優勢だったからな。向うにしても予想外だったんじゃねぇのか……って、
まだ動くなよ!フラフラじゃねぇか!」
休んではいられないと立ち上がったけれど、全身に力が入らず、壁に背を預ける様に寄りかかって
しまう。くそっ!たった一度、しかも開幕の一発を相打ちしただけでこんな有様じゃ、計画を止める
なんてとても出来ない。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
「うわわわわわわわわ!?ちょちょ、何々!?」
「船が震えて―――って、この船が副艦なんじゃ!?」
突然、乗っていた船が軋み始め、あちこちからベアリングの唸りが聞こえて来る。
まさかこれが変形シークエンス?と言う事は、この船が副艦―――!?
「っ古!壁ぶち抜いてけ!!」
「アイヤ!?ま、任せるアル、よっ!!」
ズドンッ!
「か、楓さん、この場の皆を隠れ蓑に!」
「了解!加えてドロンするでござる!」
逸早く気付いてくれた千雨さんの指示で古菲さんが壁に特大の穴を開け、一動作で怪我人と
医療班を回収してくれた楓さんを筆頭に、そこから船外へ脱出。浮遊出来ない人達は直接隠れ蓑に
入って、浮遊出来る僕と楓さん・アーニャと何故か千雨さんは落下しながら戦艦軍を見上げる。
それとほぼ同時に、今まで乗っていた戦艦がスヴァンフヴィートの近くまで飛んで行く。そして、
ロボットアニメのよう
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