第110話 少年達は突き進むようです
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火に入るとはこの事である!」
「……魔族の。ヘラスの皇帝がどうやって選ばれるか知っておるか?」
「む?」
陛下を狙って来た、神獣と互角に戦う魔族の王達に対して、怯まずにそんな事を問う。
「我が国の王となるのは、最も強き龍の血を継ぐ者。」
「ほう?ではあなたは黒龍の血を継ぐ者ですか。」
「ふはははははは!!黒龍は最も恐れられる龍、骨龍は最も狂いし龍ではある。しかし我こそが!」
ビキビキビキビキビキ!
逆にサルマクに問われた陛下が身を縮める。すると鎧が徐々に罅割れ、隙間から炎が巻き上がり、
瞬く間に身体が膨れ上がって、追い付いて来た樹龍よりも更に一回りも大きくなる。
獰猛な瞳、雄々しい巨角、身体は全て真紅の鱗に覆われ、巨大な翼と長い尾が生え、持っていた大剣も
巨体に見合うよう伸びた。その姿を表すなら、龍の騎士だ。これが、龍族の龍化・・・!
【最強の龍"炎龍"の血を引く者にして、龍を凌駕する王!"炎龍帝ヘラス"!!
行くぞ、魔法世界の友よ!我らが住まう世界を守る為に!!】
『『『『ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』』』』
ヘラス陛下の号令により、混乱と劣勢で下降していた士気が一気に跳ね上がって、圧されていた
戦線を徐々にだけれど戻し始める。
それに呼応して、骨の椅子にダレて座っていたアムドゥスキアスが跳ねて立つ。
「あーもー、あっちこっちでチマチマやってるのって嫌いなんだよねぇ!」
「な、待つのだデモゴルゴン!今はまだ「うーるーさいいいいいいいいいいいい!!」」
ドンッ!!
地団駄を踏みながら、むくれた子供のようにしか見えないアムドゥスキアスが、大気が歪む程の
魔力を放出させる。空間が歪み、段々と広がる闇となって辺りを包んで行く。
【なんだこれは…!?一旦下がるぞ!】
「しょ、承知!」
魔族特有の闇魔法を警戒した陛下と第一線を抜け始めていた兵士達と一緒に下がると、逆に魔族達は
闇に向かって入って行く。まさか、こうやって魔族を復活させて・・・!?
「"我が名に於いて命ずる!我は"初元の魔"デモゴルゴン!!恐れよ光に生きる者、集え同胞!"」
ボコボコボコッ!
汝らは我が剣!汝らは我が鎧!汝らは我が手足!」
ゴボボコボゴボボコボコボコボコ!!
人格が変わったのではと見紛う程の、魔族の長としての宣言と共に闇が形を変え、真逆の真っ白な
骨に形成されていく。
「共に踊れ……"怨葬禍棘"!!」
ズズゥゥゥウウウウウンン!
「アイヤー…………またでござるか。」
楓さんが焦りながらも、どこか呆れたような感想を漏らす。
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