第6夜 篝火
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く。
「ドーラット準法師。『三度目はないと思え』よ。これがお前の最後の好機だ。精々あのお方から与えられた機会を物にするんだな」
「…………………」
ギルティーネはそれに答えず、代わりにサーベルの柄を強く握り込んだ。
それは、トレックが初めて目にした、彼女の感情の発露。
正体も掴めない、マイナスかプラスかも判断がつかない。
それでも、トレックはその姿に少しだけ安堵した。
(ギルティーネさんにも、この試験に賭けるものがある。想いや事情の大小はあれど、根底にある目的は一緒な筈だよな……)
まるで人間のように思えなかった彼女も、やはり自分と同じ大陸に生まれた人間なのだ。
緊張に高鳴っていた心臓の鼓動が、僅かに治まる。
これより踏み入るは、呪獣に剥奪された世界。
呪法師の戦場――『大地奪還』で取り戻さなければならない地。
呪われた民と呪われた獣が呪われた大陸で争う――すべてが呪われた夜が始まる。
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