第3夜 大義
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くなっているため目的地を見失う心配はさほどない。また、チームには移動に使うカンテラとは別に、自分の周囲を照らす光源杖が一本だけ提供される。この杖はそれほど長く光を発することは出来ないが、光源量が多いため、上手く使えば呪獣の動きを一時的に停止させることが出来る。言うならば救済措置の装備という事になる。
試験の終了時間は現在時刻の7時から日付が変わる12時まで。間に合わなかった場合は状況に関わらず失格。もしもこの試験を途中でリタイヤしたい場合は、仮設砦で一晩を過ごすか書類を受け取らないまま引き返すかの二者択一だ。
「――君たちが冷静に敵に対応し、状況を見極めて行動することが出来るのならば、まず死ぬことはないだろう。しかし、慢心から気を抜くことは稚拙な失敗を呼び、失敗はそのまま死に直結する。我々はそのような稚拙な失敗によって命を奪われた呪法師が多くいたことを知っている」
そこで言葉を区切ったローレンツ大法師は、だから、と力強い声で続けた。
「戦士の卵たちよ!この試験の中で己が身にある怠惰な自分を殺し、栄えある教会の戦士として殻を破って見せよッ!!周囲に神経を張り巡らせ、装備品から決して手を離すな!汝、悪魔に呪われし子らよ……大陸の民が脈々と受け継ぎし宿世の呪縛、努々忘れることなかれッ!!」
夜が来る。
夜が来る。
都の灯りの安穏を抉る、本物の夜が来る。
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