3部分:第三章
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第三章
「西瓜を使ったバイオ兵器をじゃ」
「西瓜を、ですか」
「何かおかしいか?」
「何をどうやったらそんな発想になるんですか?」
健次はそこまで聞いて思わず眉を顰めさせた。
「西瓜をって」
「何度も言うが私は天才だ」
このこともまた言うのであった。
「その天才の私に不可能はない」
「それで西瓜なんですか」
「わかったな。それではじゃ」
「西瓜の兵器ですか」
「では今からスーパーに行く」
話はいきなり所帯じみてきた。非人道的な話から庶民的な話に急展開である。
「いいな」
「それで西瓜を買ってですね」
「今城にある西瓜はデザートにする」
それはそうするというのである。
「それではじゃ。よいな」
「まずは西瓜を買ってですね」
「そうする」
こう言ってである。こうして博士の恐ろしい研究がはじまるのであった。
博士は夕食の西瓜を食べるとである。すぐに研究室に入った。得体の知れない生物が入っているフラスコに不気味な機械、あちこちに飛び散る火花、それは科学というよりも錬金術の場である。彼はその中にいて健次に対して悠然とした笑みを浮かべているのであった。
その笑みが火花に照らされ赤や青に輝き一層不気味さを醸し出している。火花がスパークする音がBGMになっていた。そんな中であった。
その博士がだ。言ってきた。
「では今からじゃ」
「西瓜の兵器をですか」
「そうじゃ。作る」
改造用のベッドの上のでかい西瓜を撫でながら語る。
「これからな」
「本当に西瓜からですか?」
健次はここでも怪訝な顔で博士に問う。
「兵器をって」
「何か信じられんようじゃな」
「西瓜は食べ物ですよ」
これは健次だけでなくほぼ全ての者が思うことである。
「それを兵器にって」
「見ておるのじゃ。またしても私の天才ぶりがこの世に知れ渡ることになる」
「天災じゃなくですか」
「そうじゃ。天才だ」
字が違っていた。
「それがまたわかる」
「まあそう仰るならいいですけれど」
健次はもう博士には多くは突っ込まなかった。呆れているからである。
「それじゃあ僕はいつもの様にですね」
「手伝いを頼むぞ」
「わかりました」
こういささか無気力に応える。そうしてそのうえで博士のその悪魔の研究を手伝うのである。そうして暫くして。陸上自衛隊のある部隊にこう通達が来た。
「何、西瓜畑に行け?」
「武装して?」
陸自の面々はそれを聞いてまずは眉を顰めさせた。
「何で西瓜畑に武装してなんだ?」
「西瓜を食えってのか?」
「だったら武装しないだろう?」
彼等は話が全くわからず首を捻るばかりであった。
「それならな」
「そうだよな。じゃあ何でなんだ?」
「とにかく命令ではそうだな」
自
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