暁 〜小説投稿サイト〜
メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第2話「迷道(まよいみち)」
[8/8]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
る」
それに構わず東城は、説明を再び始めた。
それから数十分後、
「これで説明は全部だ」
説明が終わるが会場にはまだ少しどよめきが続いている。
説明が終わったことで司会が再びマイクの前に立ち
「では、東城様、ありが」
と閉めようとした時、
「そうだ。最後に一言」
突然、東城はマイクを握りしめ再び話し始めた。
「君たち。・・・男に生まれた以上、何か熱いことに打ち込まないと損だぜ」
そう言うと会場が静まった。
「以上だ」
それから長くかかった説明会は、3時間半程で終わった。
今後の大会については、また後日連絡が来るらしい。

会場を出ると、錦が待っていた。
「さて、いろいろ大変なことにだろうな」
「そうですね。説明だけでも、びっくりしました」
天桐はそう今の気持ちを言う。
「さて、これからだ。頑張りなさい」
錦は天桐に応援する。
「はい」
天桐は家に帰った。


翌日
学校
放課後になって生徒のほとんどが下校や部活をしている頃、3―Aの教室では、天桐と担任の藤吉(ふじよし)と二人で、生徒の席に座って話をしていた。
「で、見つかったか?」
「・・・」
天桐は無言で手に持っていた進路希望用紙を先生に渡す。
今日は以前先生に言われた約束の期限。
先生は受け取った用紙に目をやる。
「えーと、・・・・・・あ」
進路希望用紙の希望覧全てが白紙だった。
覧には点や線すら入っていない。
「天桐、お前」
天桐は目を少し逸らす。
「・・・ハァー」
先生は溜息をつくと
「ま、そう簡単に見つかればこうはなってないか」
と頭を掻きながら言う。
「まぁ、お前の人生なんだから、じっくり見つけた方がいいのかもな」
「この短期間じゃあ。そうは見つからんか」
先生はそう言うと
「けど、見つけたものはありますよ。俺の心から熱くなれそうなのが」
「え?」
天桐は席を立ち
「すいません。俺、もう帰ります」
「おいおい、進路は」
「また、今度お願いします」
天桐は教室を出た。
そんな天桐を先生は止めなかった。
いや、止めてはいけないと思ったから止めなかった。
なぜなら、先生の目には天桐が、以前よりも燃えているようで生き生きしているように見えたからだ。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ