初動編
MTM:初動編 第1話「道導(みちしるべ)」
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し上がれ」
中年男性に確認をとってから食べ始めた。
(うめーしあめー)
心の中でそう思いながら食べていく。
食べている途中で二人は少し話始めた。
「ところで、おじさんはえーと?」
「あぁ、そういえば名前も名乗っていなかったな」
中年男性は懐に腕を入れて何かを取り出そうとする。
「私は、錦大吾郎と言うものだ。日本スポーツ連盟で働いている」
名を名乗り名刺を渡してきたので、慌てて
「あ、オ、僕は天桐士良と言います。」
と天桐も自分の名前を言った。
[日本スポーツ連盟協議会 錦大吾郎]
受け取った名刺にはそう書かれていた。
「錦さんは、スポーツ連盟の方なんですか」
天桐は名刺から錦の顔に目をやる。
「そうだ」
錦はコーヒーを飲みそう答えた。
「錦さんは、どういった仕事をしてるんですか。そのスポーツ連盟で」
「今は、戦車道関連のことをしている」
錦の言った戦車道という言葉に天桐は少し反応した。
「戦車道ですか・・・へぇー」
天桐はなんとなくそう返した。
「ところで、天桐君。君は、戦車道を知ってるかね?」
錦から来た突然の質問に一瞬、声が止まった。
「・・・えぇ、名前とかならある程度は」
そう答えた。
「戦車道ってあれですよね。女性がやる戦車に乗ったりする」
「そうだね。戦車道は女性が嗜む伝統競技だ」
錦はそう答えると更に続けた。
「私たち、男性には縁のないものだよ」
錦のその言葉に何かを感じたが
「・・・そうですね」
と答えた。
「もし仮に、男性でも戦車道が出来たら天桐君もやってみたいかね?」
突然何を言い出すんだと思った天桐は、
「そうですね。もし出来るなら、やりたいですね。戦車乗り回したり大砲撃ってみたり」
と少し作り笑いで答える。
錦はその返事を聞いた後、1つ咳払いをして少し真剣な顔をしてもう1つ質問してきた。
「君、戦車の試合に出てみないか?」
「は、はい。・・・・・・え?」
とうっかり答えたが再度、質問を思い出して変なこと気付いた。
(戦車の試合に出てみない・・・か?)
「はぁ?」
天桐は理解出来ないせいかそんな言葉を出してしまった。
そんな二人の空気の中を(カランカラン)と鐘が鳴り響いた。
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