第34話 ミサカ
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味分かる?」
「日常会話における導入、いわゆる挨拶であるとミサカは判断します」
先ほど入力した知識を披露する。
「検体番号は?」
「九九八二号です」
「ミサカネットにも繋がっているみたいね。とりあえずこれ着て頂戴」
渡された病院着を身につける。
衣服
意味は、身体にまとうもの。
広げて袖を通す、澱みなく行う。
「何てゆうか、こう堂々とされるとこっちが恥ずかしくなってきますね。マルダシ」
液体で満たされたカプセルから今さっき出されたので全く服を着る習慣が身に付いていない。
十四歳の年頃の女の子からかけ離れた振る舞いに、若干戸惑ったようだ。
「もう少し羞恥心とか追加してもいいんじゃないですか?」
「余計な感情を追加して反乱でも起こされたら大変よ。安全装置だって完璧とは言えないんだから」
服を着終わると、次の指示を待つ。
「お待たせしました。次は何を?」
「健康状態は概ねクリアねー。もうすぐ実験も外に移行するし、外部研修が始まるわ。まーそれにちなんで今後は対人応答テストなんてのも実施するそうよ」
ミサカは伸びきった髪を切って貰いながら自分の主張をし始める。
「ミサカは既に完璧に外部の人間に融け込む自信があるので、そのテストの必要性について疑問を投げかけます」
テスタメントで入力されたデータを読み上げながら誇らしげに語る。
ハンバーガーの頼み方からキャッチセールスの断り方まで習得済みです、とミサカは自己の優秀性をアピールします
「この子の知識は何でこう偏ってるのかなぁ」
「それに外に出たらオリジナルと遭遇する可能性もあるでしょう?ま、だからといって実験の障害にはならないだろうけど」
髪型を整えて貰い、ミサカが座っていた椅子を片付けていくが『オリジナル』という単語を聴き動作が止まった。
「?オリジナルとは何でしょうか?」
バンダナを巻いた女性が少しだけ考える。
「そうね『妹達(シスターズ)』の素体......言ってみればアナタ達のお姉さまってとこかしらね」
「............お姉さま......」
意味は姉妹の内、年上の女性。
しかし、これは『姉』の定義だ。
『お姉さま』という響きでは無かった。
ミサカは音の響きを味わうように脳内で反芻した。
お姉さま
お姉さま
家族の一人
何か、とても心が安らぐような揺れ動くようなどちらでもない心境になる。
「うん、心筋?スタミナ?心肺機能も問題なしっと。これで晴れて実験に投入できるって訳よ」
運動負荷時の心電図や心拍数を計測するトレッドミル検査を終えて、順調に身体の具合を効率良く見ていく。
「結構大変なんですね」
出来たら、即座に実験に行くわけではない。
身体を造って
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