第34話 ミサカ
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研究者は歯が抜けた口でニタニタて対称ではない笑みを出しながら言った。
オリジナルとのスペック差には目をつむってくれ
だがクローンはネットワークを通して記憶を共有しているので、二万通りの戦闘の間に学習し進化していく
最後の方でも苦戦するかもしれんよ?
「逆に言やァずっと雑魚と戦ンなきゃいけねぇって事かよ」
白い髪の少年は、髪を掻き上げながは入り口へと歩きだした。
時間にすれば五分も経っていない。
「チッ!テンション下がンぜ。今回はコイツだけだったよなァ?帰ンぞ」
ガラス窓から歩いていく姿を研究者はみながら抑揚のない声で指示を出す。
ああ、だが
第一次実験はまだ終わっていない
後ろの実験体を処理するまではね
「あ?」
武装したクローン二万体を処理する事によってこの実験は成就する
目標はまだ停止していない
戦闘を続けてくれ
機能停止
意味は、その物の機能が正常に働かなくなること
ミサカ(私)はまだ機能停止をしていない......
めまいがする中、息を切らしながらミサカ(私)が取るべき行動を考える。
強く打ち付けた肩を摩りながら、ミサカ(私)は傍らに落ちている銃を手にとった。
「了解......しました。実験を続行しますとミサカら命令に従います」
痛みがあるが、これをするのがミサカ(私)の使命
動かなくなるまで
機能が停止するまで......
完全に帰宅するため油断しきっている白い髪の少年に向けて発砲する。
しなければならないのは二つに一つ
白い髪の少年を倒すかミサカ(私)が機能停止をするか
パン!
乾いた簡素な音と共に発砲する。
更に言ってしまえば、生きている限り白い髪の少年を狙わなければならない。
音か、ミサカ(私)が動いたのに気付いたのか白い髪の少年は、見下すように目だけを向けた。
興味が失せたような目をしている。
風が一切吹かない、屋内の実験場。
硝煙が妙に長く棚引いていて、時間感覚を麻痺させる。
弾丸は少年に当たるとそのまま全反射をしてミサカ(私)の左下肋部にめり込んでいた。
じわっと赤い液体が造られた穴から止めど無く溢れ出す。
暖かいような
熱いような感覚だ
「......??」
何が起きたのか思考が現実に追い付かずに、傷口を見下ろす。
答えなんてない。
もちろん、分かった所でどうしようもない。
ただ制服が汚れてしまうというズレた心配をした後に、力が奥底から途絶えて頭から床へと潰れるように無抵抗に倒れる。
今度は寒くなっていく
氷のように芯から
暗い
深い
海の底に沈むような......
これが『死』です......か
と......ミ
停電になったように真っ暗な視界の中で感
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