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Fate/GrandOrder///OutBre;ak
始まりと終わりの境目で
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と同じ場所を何度も浮遊し────最後は消える。
常人では見えない。
魔術師では見えない霊を両義 式は直視していた。
好きで見ている訳でも見えている訳でもない。
瞳を閉じても目を手で覆っても見えるものは見えてしまう。
だから見える。
その霊達の死も……。
望んで見ている訳でない、見たくなくても見えてしまう。
光届かぬ闇の中でもその姿はその『死』が見えてしまう。
視線を逸らしても変わらない。見えるものは見えるのだらか。
「式さん……ここ怨霊の住処ですよね?」
半信半疑でスーツ姿の少年は言ってきた。
「そうだ」
「そんなキッパリと!?」
「てか、お前よく解ったな。
ここが悪霊の溜まり場って」
「分かりたくありませんでしたよ……でも、雰囲気っていうかなんていうか……寒気もするし」
「あぁ、お前の肩に張り付いてるからだな」
「────嘘?」
「いや、マジだ」
「ウオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッッッッッッッッッッッッッッ!!」
テンションの高い奴だ。
まぁ、実際の所は天城の肩に悪霊なんて張り付いてないけど。
────そもそも寄り付く気配はないな。
何かに怯える様に霊達は式達を見ている。
────俺達を警戒している……いや、怯えてる?
「し、式さん……本当に此処に居るんですか?」
「あぁ、この辺に居るのは確かだ」
直死の魔眼で覗えている『線』
それを辿ってここまで来たけど……居るのは悪霊と怨霊、それに気配のない殺気のみ。
人間ではない…だが、俺達を見て怯えてる霊のものでも無かった。
なら、多分アイツらだろ。

「居るんだろ、『抑止力』」

突如、足音が響いた。
ここに居る者の足音ではない。
暗闇で遮られた視界、近付いてくる足音……天城は身構える。
この足運びは暗殺者特有のそれだった。わざと足音を立てて俺たちに警告しているのだろう。
ここから立ち去れ、さもなくば消す。
「天城、俺から離れてろ」
「……」
少年は無言で後ろに下がる。
あぁ、恐怖で声が出ないのか。
必死に隠そうとしてるけどバレバレだ。
そんな震えなくても……いや、普通の人間ならそれが普通の反応だろう。
「離れすぎず、近付ぎすぎず。
要するに離れすぎるな」
離れすぎたら霊たちに喰い殺される。
小刀を取り出し構える。
【直死の魔眼】
対象の死期を視覚情報として捉える魔眼で周囲を見渡し、眼に映った物体の死期を読み取る。
────死の線で溢れた世界。
この世界は死でありふれている。
殺すなんて簡単だ。刃物で線をなぞればそれで死ぬんだから。
それは霊も例外ではない。生きている、活きているものならどんなものでも殺せる、殺せるのがこの魔眼だ。
要するに存在するのなら殺せるのだ。
どんなもので
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