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Fate/GrandOrder///OutBre;ak
始まりと終わりの境目で
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まずはマスターと合流し、聖杯を破壊せねば────」
アーチャーの躰は更に透けていった。
「魔力切れ……それほど苦戦する相手だったのですね」
「君にかかればその槍の一振りで終わるたわいのない奴なんだが……些か妙な状況でね」
「妙な状況?」
────ビクビク……。
アーチャーの背後で身を潜める少女。
バーサカーのマスター イリヤはエミヤの背中越しから槍を携えたサーヴァントを凝視する。
「イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
ご無事でなによりです」
そして槍を携えた女サーヴァントはイリヤに敬意を示す様に安心させる様に話し掛ける。
「貴女は……何者?」
「クラスは『ランサー』
真名をアルトリア・ペンドラゴン────」
「ちょ、ちょっと待って?
ランサー……?貴女はセイバーだったはず…………」
「説明すると長くなります、ここは一度マスター達と合流しお話しします」
「マスター達って士郎と凛の事?」
「はい、現段階で私に魔力を提供しているマスターです」
「……」
イリヤは黙り込んでしまった。
当然だ、訳の解らない状況でいきなり現れたセイバー気取り。
そしてその窮地を救った騎士王の登場。
先程までセイバーのクラスだった騎士王……なのに今はランサーのクラスで現界している。
そんな意味不明な状況で混乱するなと言う方が無理な話だろう。
「混乱するのも無理はない。
だが、イリヤ。『今回』は納得してくれ……」
アーチャー────エミヤはそう言ってイリヤの頭を撫でる。
そう、この英霊の正体をイリヤは知っている。
衛宮 士郎の未来の姿……願望を叶えられ無かった未来の士郎。
それでも士郎に変わりはない。
どんな姿になっても士郎は士郎……そう、あの衛宮 切嗣の息子なのだ。
でも、何故だろう。
────私はこの人を知っている。
いや、知っているけど知らない。
会ったのは今日が初めて……なのに以前から知っている様な。
憎んでいる切嗣の息子なのにイリヤは平然と話し掛け、訳の解らない状況なのにその状況すら一度、体験した事のあるような錯覚を感じている。
これは知っているのではいのかも知れない。
これは『知っていた』のかも知れない……。
記憶に無かろうとイリヤは知っていた。
憎むべき対象と解っていても憎めない最後の肉親はイリヤを必ず助けると────。
────そう、私は約束したんだ。
なら、迷う必要はない。
「解った……『今回』は折れてあげる。
でも、『今回』だけなんだから」
怒っている、でも少し笑っている。
そんな笑顔でイリヤはアーチャー達と共に歩むのだ。
真夜中の裏道を彷徨う行き場を無くした霊達は依代を求めて────最後は消える。
未練を残し、死んでも死に切れない霊達はずっ
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