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Fate/GrandOrder///OutBre;ak
始まりと終わりの境目で
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なら────魔力の塊…いや、そんな生易しいものではない。
セイバー気取りは両手から二つの光が放たれる。
右手に黒色の球体、左手に白色の球体。それぞれの球体は螺旋を描くように重なり合うように交差し。
「───双腕・零次集束」
光る球体達は交差した。
二つの光は反発し、新たな光を生み出す。
────迷ってる暇なんてない。
アーチャーは確信し演唱する。
「『熾天覆う七つの円環』ッ」
今度こそ……守る、守ってみせる。
光は拡散する────光に触れたものは消えた。
熾天覆う七つの円環は光を弾き、光を遠ざける。
だが、それも長くは持たない。
エミヤの世界、そしてエミヤの持つ最強の盾ですら防ぎきれない。
だが、この場は絶対に死守する。
────イリヤを守る為に。約束を果たす為に!
残りの盾は二つ────消え掛けている己の躰。
「────逃げて士郎!」
アーチャーの背後。
一人の少女は叫ぶ。
「なんで……なんで私を」
「愚問だね……理由なんて必要ないだろ」
────ピキッ。
また、一つ盾は破壊される。
「君はバーサカーを連れてここから離れろ。
どうせあの肉だるまは生きているのだろう?」
奴の宝具『ゴットハンド』が健在であれば生き延びているはすだ。
アイツにはイリヤを守って貰わねば……。
────ピキッ!
そして最後の盾に大きな亀裂が走った。
最早……これまで。
貯蔵魔力は既に尽きた。マスターである凛の魔力供給も断たれ、万策尽きた。
奴が一枚上手だった。
勝利を確信し、勝利に溺れた時点で勝敗は決していた。
そう、勝敗は決している。
────だが、勝敗が決してからといって死ぬとは限らないだろう?
その瞬間、光は消えた。
周囲は静寂に包まれ、先程まで行われていた『殺し合い』が嘘の様に……。
「これは……」
自身の宝具が破られセイバー気取りは驚きを隠せずにいた。
だが、それでも奴は落ち着いていた。
冷静に状況を分析し、己の宝具を打ち消した原因を模索する。
そしてセイバー気取りはソレを見つけた。
それは長槍だった。
粉塵舞う、瓦礫の一帯で異彩を放つ槍。
────ランサー……のサーヴァント?
いや、ランサーのサーヴァントの宝具ではない。
先日、刃を交したランサー クーフーリンの宝具『ゲイボルグ』とは形状も……槍から感じられる魔力の質も違う。
離れていても解る。
あの槍の魔力は尋常ではない。
クーフーリンの槍が研ぎ澄まされた必殺の槍なら……あの槍は全てを薙ぎ払う破滅の槍。
近付くのは記念と判断しセイバー気取りは刀を構え、出方を伺う。
「これは……成程。
先程の宝具は貴方のものですね」
それは女の声だった。
姿は見えない……見えるのは宝具と思わしき槍とセイバー気取り
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