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Fate/GrandOrder///OutBre;ak
始まりと終わりの境目で
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痛に立ち上がれない。
魔術回路もだ。身体全身が焼ける様に熱を帯びている。
滝の様な汗……吐き気はないけどこれはキツイ…………。
「士郎、大丈────」
俺の異変に気付き、遠坂は走り寄ってきて……転けた。
「と、遠坂……?」
「あ、あの馬鹿。私の貯蔵魔力の殆どを……あっちも大変そうね」
どうやら魔力切れで身体をうまく動かせない様だ。
「士郎の方はなんでそんなに青ざめてるの?」
「解らない。なんか身体全身がズキズキしてる……」
ピリピリしてる────力が入らない。
魔術回路が熱を帯びている、原因の解らない痛覚は肉体と連動し、動きを阻害する。
「遠坂……は?」
「大丈夫、単なる魔力切れよ。
ちょっと目眩がする程度だから」
どうやら遠坂の方は大丈夫そうだ。
問題は俺の身体……動かない、無理に動かそうとすると激痛が全身を突き抜け、発狂しそうだ…………。
「衛宮君、セイバーは?」
「────セイバー……」
右手に刻まれた令呪を確認し、微かな魔力のパスを感じる。
先程は微塵も感じなかったセイバーの魔力を感じられた。
「魔術回路のパスは繋がってるから大丈夫だと……思う」
「良かった……無事なのね」
遠坂は安堵した表情でホッとしている。
「遠坂、セイバーの心配をしてくれたのか?」
「するに決まってるじゃない、人として当然よ」
アーチャーとは大違いだ。
あの男はセイバーを囮にしてバーサーカーに射抜いた。
その一撃は並のサーヴァントなら掠っただけで致命的なダメージを与えられる程……いくらセイバーの対魔力でもあれ程、魔力は防ぎきれないだろう。
────セイバー……無事で良かった。
弓兵は千を超える模造品『宝具』を発射した。
一つ一つが歴史に名を残す武器のレプリカ達はセイバー気取りの侍を目指して突き進む。
そんな中、侍は両手を突き出し。
笑顔でアーチャーを見据えた。
────なんだ……この感覚は。
一瞬の刹那、放たれた宝具【模造品】達が直撃するその一瞬、妙な違和感を感じた。
勝利の確信────?
違う、これは不穏の予感だ。
幾多の戦場を駆け抜け、勝利し続けたアーチャーはこの違和感を知っている。この違和感は勝敗が決する前に感じるそれだ。
完璧な勝利など存在しない。
あるのは明確な勝利と必然的な勝利。
これはどちらでもない。勝ってすらいないのに勝利に酔ってしまった愚かな指揮官の様にアーチャーは宝具を放ち、確信してしまった。
────これで勝ちだと。
慢心は敗北に繋がり、勝利は満身から始まると。
これは謝りだ。
「────ッ。
離れろイリヤ!!」
悲鳴に似たアーチャーの叫び。
セイバー気取りは最悪の笑みで。
「本日で二度目の『さようなら』です、受け取ってください」
さよう
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