ウォーロッド・シーケン
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「生きた村人が凍り付いている。放ってはおけん。その村を救ってほしい。それが、私の依頼じゃ」
彼からの依頼の全貌を聞くと、彼の正面に座っている桜髪の青年が机に片足を乗せて身を乗り出す。
「なるほど!!それなら簡単だ!!俺の炎で全部の氷の溶かしてやる!!」
「そういうことなら、俺とシリルは必要ねぇだろ」
「なんで俺らまで呼ばれたんですか?」
やる気満々のナツさんとは正反対で、この依頼でなぜ俺たちまで呼ばれたのかさっぱり理解ができない。すると、ウォーロッドさんがその理由を看破してくれる。
「いや、あれはただの氷ではない。グレイ君の力も必ず必要になる」
「あ?」
含みのある言い方をするウォーロッドさんを眉間にシワを寄せて見ているグレイさん。そんな彼から視線を外し、ウォーロッドさんは俺を見つめる。
「シリルくんは水使いと聞いている。水は万能だ。ナツくんほどの力のある炎ならそれにアシストにも使えるし、グレイくんの氷の魔法を増幅させることもできる。まさしく二人を助ける万能魔導士だ」
「!!」
聖十大魔道の中でも最強の四人と吟われる人物に褒められて思わずハニカム。自分の魔法をそんな風に考えたことがなかったから、なんだかすごく照れ臭い。
「お言葉ですが、ウォーロッド様」
「ん?」
「あなたほどの魔導士ならば、ご自分で解決できる事件では」
エルザさんがもっともなことを彼に言う。確かにそんなにすごい魔導士ならば、自らの手で村人を救うことだって可能なんじゃないだろうか?
「君たちは何か勘違いしているかもしれんな」
「「「「「??」」」」」
しかし、ウォーロッドさんは落ち着いた表情のままそう言う。俺たちは彼が何のことを言っているのかわからず、次に続く言葉を待っている。
「聖十大魔道といえど万能ではない。評議院が勝手に定めた十人に過ぎん。この大陸には私以上の魔導士は山ほどいるし、大陸を出ればそれはもう・・・私などはとても小さな存在」
青い空を見上げてしみじみと告げるウォーロッドさん。彼はそのままの姿勢のまま、言葉を続ける。
「現に私は攻撃用の魔法をほとんど知らん。若者と武力で争っても勝てる自信もない。蛇姫の鱗のレオンくんのような、私より遥かに優れた若者もいるしのぅ」
やっぱりイシュガルの四天王とはいえ、レオンクラスの魔導士はすごいと感じるんだ。まぁ、あれはチートに限りなく近いし、仕方ないことなのかな?
「ですが・・・」
「誰にも得意不得意はある。それを補い合えるのが仲間。ひいてはギルド・・・だろ?」
なおも納得がいっていない様子のエルザさんだったが、ウォーロッドさんの一
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