ウォーロッド・シーケン
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めた目をしている女性二人。しかし、彼の暴走は止まることを知らない。
「おっと、喉が乾いた。ハハハハハ」
「「あわわわわわわ」」
彼はそう言うと、手に持っていたじょうろから口へと水を注ぎ始める。あまりのことに俺とウェンディは驚愕して言葉を発することかさができない。
「失礼ですが、あなたが聖十大魔道のウォーロッド・シーケン様ですか?」
「いかにも。私こそがウォーロッド・シーケン。・・・冗談だけどな」
「「「「「えぇ!?」」」」」
「というのは冗談じゃ」
最初ウォーロッドさんだと肯定した時はみんな畏まっていたけど、冗談だと言われ驚き、また冗談だと言われた時には、なんだか疲れてしまい皆さん白くなっていた。
「疲れるじいさんだ」
「ちげぇねぇ」
「こんなのが本当にすごい人なの?」
声に覇気がなくなっているグレイさんとナツさん。彼らのすぐ前で、俺とウェンディも明らかに疲れたように肩を落としている。
場所を家の中から外にある木のテーブルへと移し、ウォーロッドさんの依頼について話を聞くことにした。
「私は、引退してからずっと砂漠の緑化活動を続けてきた」
「引退?ウォーロッド様も昔はギルドに?」
「ハハハハハ!!いいギルドじゃったよ」
彼はそう言うと手のひらから小さなバラを作り出す。
「私の緑の魔法をもって砂漠の広がりを食い止める。慈善活動をといえば聞こえがいいが、実はただの趣味じゃ。
そんなわけで何年もあちこちの砂漠を旅しておるのだがね、この前奇妙な村を見つけてのぅ」
「奇妙?」
「どの辺がですか?」
彼が見つけた奇妙な村。それを説明するためなのか、ウォーロッドさんは一冊の本を手に取り、その中を一ページを広げる。
「文献によればそこは『太陽の村』。永遠に燃え続ける炎を守護神とし、信仰していた村だった」
「永遠に燃え続ける炎?」
永遠に燃え続ける炎、それを聞いて火を扱う魔導士であるナツさんがいち早く反応する。
「そう。だがその村は、凍り付いていた。天災なのか人災なのか、人も動物も、植物も建物も川も、村を守護する永遠の炎さえも凍り付いていた」
「炎が凍り付いて・・・」
「そんな・・・」
「信じられない・・・」
ウォーロッドさんの話を聞いてルーシィさんとウェンディ、そして俺がそう言う。
「その村で何があったのかはわからん。だが、氷の中で村人は生きておった」
「え〜!?」
「氷の中で生きてるなんて」
「どういうことなの!?」
次々に常識では考えられないようなことが彼の口から述べられる。それを聞いている俺たちはただ驚いていることしかできない。
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