ウォーロッド・シーケン
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ってことは、もう一人いるのよね?」
「一体どんな人なんですか?」
「俺も聞きたいです!!」
カミューニさんとノーラン、それに後一人彼らと同等の魔導士がいるということである。彼らのことをよく知っている感じだったエルザさんなら知ってると思い、ルーシィさんとウェンディ、そして俺は目を輝かせながら質問してみる。
「あぁ。リュシーのことか」
すると、エルザさんはどうやらもう一人のことも知っているらしい。さすがマスターに一目置かれる存在ですね。
「あいつは・・・な・・・」
もう一人のBIG3のことを思い出しているはずのエルザさん。しかし、彼女はなぜか顔をうつ向かせ、立ち止まってしまう。
「エルザ?」
「どうしたんですか?」
「何かあったんですか?」
心配して俺たちも立ち止まり顔を下から覗き込む。顔を伏せている緋色の女性は、体を小刻みに震えさせており、もしかしたら嫌な記憶を思い出させてしまったのではないかとハラハラしている。
「あいつは・・・
大変可愛らしい少女だ!!」
「「「「「・・・へ?」」」」」
急に正気を取り戻し、顔をあげたかと思うとキラキラと瞳を輝かせながらそんなことを言い出す妖精女王。よく見るとすごい笑顔だ。まるでスイーツを食べている時のような、その時の彼女を彷彿とさせている。
「史上最年少、さらには史上初の女性での聖十入り。評議院にナツたちの始末書を出しに行かされた時にいつも声をかけてくれてな、あの可愛らしい笑顔が、私の心の癒しだった」
饒舌に語り出した彼女を見て唖然としている。黙ったかと思えば今度は急に話し出すし、なんだかエルザさんらしくない。いや、本当は乙女な人だし、これが普通なのかな?
「史上最年少って・・・いくつ?」
「11歳だ」
それを聞いて俺やウェンディは感心していた。だってそれは、今の俺たちよりも一つ二つ下の年齢。それぐらいの年齢から評議院に認められ、なおかつ大陸で優れた魔導士十人に選ばれるなんて・・・
「私の五つ年下だったはずだから、今は21くらいにはなっているはずだな。どんな大人になっているのやら・・・」
空を見上げながらしみじみと物思いに更けるエルザさん。ん?エルザさんの五つ下ってことは・・・
「一個上!?」
「私と二つしか変わらないんですか!?」
七年間凍結封印されていたから肉体年齢は全く変わっていないが、戸籍的にはたぶん20歳の俺。俺たちとほとんど変わらない世代にそんな人がいたなんて、全然知らなかったなぁ。
「すごく人懐っこくてな。私のことを「エルポヨ」なんて呼んでいたんだ」
「え・・・エルポヨ?」
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