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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十九話 コーヒーも捨てたものではありません。
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思ってのカロリーネの言葉だった。

「では、ありがたくご厚意を承ります」

 二人は敬礼して、部屋を退出していった。暫くして二人が邸を出ていく姿が見えた。相変わらず人が見ていないところでもきりっとした歩き方である。文字通りの生粋の軍人なのだ。

「あ〜〜しんどかった。これでやっと落ち着いて話せるね」

 うって変わって砕けた言葉でカロリーネ皇女殿下が話しかけた。

「そんなに疲れましたか?」
「全然なれないわよ。それにたまにはこうしてタメで話さないと、言葉遣いが妾口調のままになるもの」
カロリーネ皇女殿下はそこまで言って、急に黙り込んだ。

「でも、それも終わりなのよね・・・・。後少しで。もう今後はこうやって話せる人はいないもの・・・・」
「皇女殿下・・・・」

 この人の本名は知らない。アルフレートは自分の本名も名乗らなかった。この世界に生まれた以上は、前世の名前などどうでもよかった。だが、やはり自分たちは前世の人間なのだ。そのことから逃れることはできそうにもない・・・・。

「いいの。終わりが来ない日などない。そのことはよくわかったから」

 庭に出てみましょうか、と皇女殿下は言った。外はまだ冬の澄み切った大気が青く晴れ渡っていたが、日光は柔らかく暖かかった。もう春なのだ。

「旅立ちの季節ね」

 カロリーネ皇女殿下が眩しそうに青空を見上げながらつぶやいた。その整った綺麗な横顔を見ながら、アルフレートは疑問を口にした。それは今まで聞きたくても聞けない事だったが、今のこの時にならば聞いても許されるような気がしていた。

「皇女殿下。一つ伺ってもよろしいですか?」
「なに?」
「殿下は、まだラインハルトのことを、門閥貴族のことを恨まれておいでですか?」

 カロリーネ皇女殿下は首を振った。

「半分かな。ラインハルトには何もされていないから、恨みも何もないわ。でも、門閥貴族、あの二人だけは許せない。絶対に・・・・!!」

 ぎりっと歯を食いしばった刹那、カロリーネ皇女殿下の顔に殺気がうかんできていた。皇女殿下の顔をよく見てきているアルフレートがぞっとするほどだった。

「でも、それさえ考えなければ、今はとても穏やかなのよ。あなたはどうなの?」
「私も正直ラインハルトには何の恨みもありません。強いて言えば門閥貴族に対してでしょうか。私たちは早く亡命を余儀なくされましたが、そのことはかえって良かったのかもしれませんね。なまじ力をつけていれば、ラインハルトと遠からず衝突することになる」

 その観測を皇女殿下は首を振って否定した。

「まだ終わったわけじゃないわ。私たちが自由惑星同盟にいる限り・・・・違うわね、そう、自由惑星同盟がある限り、ラインハルトはここにやってくる」


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