暁 〜小説投稿サイト〜
ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十九話 コーヒーも捨てたものではありません。
[9/10]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
思ってのカロリーネの言葉だった。
「では、ありがたくご厚意を承ります」
二人は敬礼して、部屋を退出していった。暫くして二人が邸を出ていく姿が見えた。相変わらず人が見ていないところでもきりっとした歩き方である。文字通りの生粋の軍人なのだ。
「あ〜〜しんどかった。これでやっと落ち着いて話せるね」
うって変わって砕けた言葉でカロリーネ皇女殿下が話しかけた。
「そんなに疲れましたか?」
「全然なれないわよ。それにたまにはこうしてタメで話さないと、言葉遣いが妾口調のままになるもの」
カロリーネ皇女殿下はそこまで言って、急に黙り込んだ。
「でも、それも終わりなのよね・・・・。後少しで。もう今後はこうやって話せる人はいないもの・・・・」
「皇女殿下・・・・」
この人の本名は知らない。アルフレートは自分の本名も名乗らなかった。この世界に生まれた以上は、前世の名前などどうでもよかった。だが、やはり自分たちは前世の人間なのだ。そのことから逃れることはできそうにもない・・・・。
「いいの。終わりが来ない日などない。そのことはよくわかったから」
庭に出てみましょうか、と皇女殿下は言った。外はまだ冬の澄み切った大気が青く晴れ渡っていたが、日光は柔らかく暖かかった。もう春なのだ。
「旅立ちの季節ね」
カロリーネ皇女殿下が眩しそうに青空を見上げながらつぶやいた。その整った綺麗な横顔を見ながら、アルフレートは疑問を口にした。それは今まで聞きたくても聞けない事だったが、今のこの時にならば聞いても許されるような気がしていた。
「皇女殿下。一つ伺ってもよろしいですか?」
「なに?」
「殿下は、まだラインハルトのことを、門閥貴族のことを恨まれておいでですか?」
カロリーネ皇女殿下は首を振った。
「半分かな。ラインハルトには何もされていないから、恨みも何もないわ。でも、門閥貴族、あの二人だけは許せない。絶対に・・・・!!」
ぎりっと歯を食いしばった刹那、カロリーネ皇女殿下の顔に殺気がうかんできていた。皇女殿下の顔をよく見てきているアルフレートがぞっとするほどだった。
「でも、それさえ考えなければ、今はとても穏やかなのよ。あなたはどうなの?」
「私も正直ラインハルトには何の恨みもありません。強いて言えば門閥貴族に対してでしょうか。私たちは早く亡命を余儀なくされましたが、そのことはかえって良かったのかもしれませんね。なまじ力をつけていれば、ラインハルトと遠からず衝突することになる」
その観測を皇女殿下は首を振って否定した。
「まだ終わったわけじゃないわ。私たちが自由惑星同盟にいる限り・・・・違うわね、そう、自由惑星同盟がある限り、ラインハルトはここにやってくる」
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ