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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十九話 コーヒーも捨てたものではありません。
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やシュタインメッツからはだいぶ反対があったものの、最後にはカロリーネ皇女の説得で折れたのだ。
「シュタインメッツよ、どうかアルフレートを頼むぞ」
「はっ!」
シュタインメッツは、自由惑星同盟において少佐待遇で軍属になっていた。もっとも軍服は相変わらず帝国軍のものであったし、無任所属の身であるので、アルフレートの護衛役ということになっている。シュタインメッツもアルフレートとともに艦隊に配属されることとなっていた。これはファーレンハイトのほうも少佐待遇という形で同様である。もっともこちらは、皇女付きの侍従武官という姿勢を崩していなかったが。
少年少女はともかく、シュタインメッツ、ファーレンハイトはだいぶ同盟の軍部から取り調べを受けていた。それはそうだろう。彼らにしてみれば、現役の帝国軍人が亡命してきたのだ。内情を知る絶好のチャンスに食いつかないわけがない。
だが、脅されても、すかされても、シュタインメッツやファーレンハイトは頑として話さなかった。武人の矜持である。
だが、カロリーネ皇女殿下やアルフレート殿下の「滞在許可」を取り消すとほのめかされ、やむなく二人は話した。だが、機密事項については言葉を濁し、必要最小限の程度で帝国軍の内情を語ったのである。最初はいらだった同盟側も、二人の清廉剛直な人柄に、納得もし、あきらめもし、ついにはそれ以上手を出すのをやめてしまったのだった。
最も監視の目は怠りなかった。アルフレートやカロリーネ皇女殿下が軍属になったのも、ファーレンハイトやシュタインメッツが彼らの護衛という形で軍属になったのも、監視がしやすくなるという動機からだろうと4人は見ている。
だが、同盟側の意向がどうであろうと、こうして同盟に居住し、かつ職業に就けることを幸運だと思わなくてはならないと4人は思っていた。
「そうじゃ。出立まで間もないことゆえ、ファーレンハイトと共にでかけてくるが良い」
カロリーネ皇女殿下が提案する。
「それはなりません。皇女殿下。小官たちの不在の間に何かあれば――」
「無用の心配じゃファーレンハイト。それにここにはまだ侍女たちがおるでな」
亡命中、バウムガルデン公爵の事、さらにカロリーネ皇女のことを知ったハイネセン在住の亡命貴族たちが、そっと自分たちの娘や姪、侍女たちを幾人かつけてくれたのだ。皆とても素直な人柄ですぐに4人とも打ち解け、また、それらを訪ねてくる親たちもいたりして、時にはあまり目立たないようにパーティーなどを催したり、郊外にピクニックに出かけたりしたものである。
そのささやかな幸せの時も、終わりに近づいてきていた。
「行ってくるが良い。ただし、あまり遅くなってはならんぞ」
まだ10時過ぎである。夕方までには十分帰ってこれるだろう。そう
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