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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十九話 コーヒーも捨てたものではありません。
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ら、サボることはできそうにない。そんなことは校長、あ、いや、シトレ中将もお見通しなのだろうから。私にできることと言ったら、こうやって艦橋の後ろに立って、司令官の指揮ぶりを眺めることくらいだ。ま、これも給料のうちと思って我慢するかな。

■ シドニー・シトレ中将
 またヤンが退屈そうな顔をしているな。まぁ、無理もない。平素の勤勉な勤務というものは、彼には向かない仕事なのだからな。ヤンもかわいそうに。ご両親が生きていれば、きっと軍隊に入ることはなかったのだろうが。いや、今はヤンのことにかまけている暇はないな。
 ここの所平穏だが、第六艦隊がイゼルローン回廊から帰還したことで、いつまた遠征の話が持ち上がるかわからん。願わくば我々軍人がそうそう出番がないように願いたいものだが・・・・。



 そのシトレのもとに、惑星ハイネセン統合作戦本部に出頭するように指令がきたのが、帝国歴482年10月21日の事であった。シトレは艦隊を副司令官以下に預けると、100隻ほどの艦隊を率いて、副官とヤンを伴って、ハイネセンに向かった。



帝国歴482年11月1日。
惑星ハイネセン 統合作戦本部 本部長室――。

「よう!!来たか。まぁ、かけてくれ」

 ブラッドレー大将が席を進めてきた。

「今、コーヒーを淹れてやるからな」

 それを聞いたヤンが顔をしかめたのをシトレは横目で見て、笑った。

「顔に出ているぞ。本部長閣下の淹れてくださるコーヒーは絶品だ。私がお前をここにつれてきたのも、紅茶党のお前をぜひ屈服させたいという本部長閣下のご意向もあるのだからな」
「はぁ・・・」

 頭を掻いたヤンのもとに、本部長自らがコーヒーを運んできた。恐縮して受け取ったヤンにまぁ飲んでくれと進める本部長。

 恐る恐る一口飲んだヤンの顔が「おっ!」というように変わる。意外そうだった。

「どうだ?」
「正直、コーヒーなんか泥水だと思っていたのですがね、閣下の淹れてくださったコーヒーをいただいて考えが変わりました。いや、まだまだ世間は広いということですね」
「はっはっは!!シトレみたか!!やったぞ!!お前のいう『コーヒー嫌い』を屈服させた俺なら、退役後はコーヒー店を開けるだろう」

 シトレも本部長に和して笑う。

「ご冗談を。閣下にはまだまだ頑張っていてもらわねばなりません」
「そうはいっていられないのだ」

 本部長が一転、笑みをひっこめた。

「シトレ。残念ながら結論から言おう。同盟は新たな出兵計画の立案に入った。同盟はイゼルローン要塞に5度目の攻撃を仕掛けることとなる」
「またですか!」

 シトレは露骨に顔をゆがめ、ヤンはやれやれというように肩をすくめた。

 どうして同盟が出兵を決め込んだのか。
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