32話 特務 3.7
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出た。
「やはり政府特機。これなら誰にも撃たれることはない」
政府特務の特機コードは連邦に属している者の免罪符だった。その許容が桁違いであり、仮に誤って攻撃仕掛けた者はその場での射殺を周囲の者が遂行せねばならない程の脅威であった。
準備が整うとモニターに自然と出口までの行道が映し出された。全てが既にお膳立てだった。
アムロはその順路を追って、カタパルトのある大きな空間に出た。そのカタパルトに乗ると、来た道の通路シャッターが降り、内圧が落ち、目の前のシャッターが開き、宇宙空間が見えた。
「ベルトーチカ、行くぞ」
「はい」
デルタプラスは勢いよく飛び出し、すぐさまウェイブライダー形態に変形。一気に加速した。
「ぐっ・・・」
「きゃ・・・」
2人とも息が一瞬詰まった。あまり身構えなかったのもあったが、推進力、瞬発力が既存の機体とはまるで違った。
一筋の流星を地球軌道上のティターンズ含めた連邦軍が察知していた。哨戒していた部隊もいて、アムロの機体を感知していたが、追撃するに一瞬の出来事で何かが通ったとしか言いようがなかった。それでも取りあえずは司令部に報告を入れていた。
艦隊を司るバスクはその未確認機を確認するよう命じたところ、政府特務機という回答をオペレーターから受けた途端、命令を徹底させた。
「絶対にその特機に手を出すな!オレも含めてお前らの首が飛ぶぞ!」
その命令が全ての艦艇に飛ぶと、誰もがアムロらを見て見ぬ振りを決め込んだ。
バスクはその映像を見て苦虫を潰していた。
「・・・オレらの特権などこの程度だ。更に上の特権に従わざる得ない。オレの知らない何かがあの機体が持っている。しかしそれを知る由もない」
議会での法整備が済み次第、バスクらの天下となる。その予定で地球軌道に集合していた。その予防の為にコリニーは軍による宇宙からの地球防衛を任じ、先んじて議会承認も取れていた。
世界動向の決定にはテロ対策等、厳戒態勢を取ることは常識であった。勿論ダカール市も周辺含めて同様だった。
アムロらは無事大気圏突入を果たし、ダカール市の防空識別圏内に入った。すると空港の管制室より案内があった。
「・・・特務機、応答せよ。着陸場はM58滑走路を許可する。運搬物の受け渡しもその場で行われる」
「了解。こちらは政府特務中佐アムロ・レイだ。貴官の誘導感謝する」
通信を終えた時、眼下に青い海が見えてきた。
「うわ〜キレイ・・・」
「そうだな。流石特務機だ。大気圏突入にもコックピット内の安定感も凄いな」
ベルトーチカ、アムロとそれぞれ感嘆を漏らした。
数十分後、デルタプラスは無事ダカールの空港に着陸を果たした。そのままある格納庫へとデルタプラスは飛
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