32話 特務 3.7
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とをしてはならないと考えます」
そして幾つかの問題をやり取りしてその通信を終えた。
* サイド3 宙域 ゼウス 艦橋
マーサはゆったりと艦長席に座り、地球圏の戦況を眺めていた。
その傍にフロンタルがやってきた。
「どうですか?地球は」
マーサはフロンタルの問いかけに微笑を浮かべた。
「無知なる者どもが過激な演劇をしているようですよ。その外側のシロッコの動きも面白いわ」
「更に外側にいる我々は出番がありますかな?」
「大丈夫よ。これほどの戦いの後、更地になった地球圏をビスト、この私が束ねるのよ。このサイド3の掌握も成功したわ」
マーサが艦橋の各モニターを映し出してフロンタルに見せた。ズム・シテイ以外のコロニーの内情が取れた。市民誰もが変わらず無難に平和に生活をしていた。その映像にフロンタルは笑みを浮かべた。
「これはこれは・・・皆何も意識、疑問を持たずして箱庭の中で生活を営んでいるとは・・・」
「ゼウスの力よ。彼らは彼らの居るコロニーだけが世界の全てを認識している。あらゆる闘争本能もすべて除去しているからいじめや争いもないわ」
ゼウスシステムという巨大なサイコフレームによりサイド3のコロニー全体の人民を洗脳仕掛けたのだった。
「何も変革など要らないのよ。導き手が意識をも統括することこそ恐怖に怯えず最良な人生を送ることができるわ」
フロンタルはマーサがとても良い狂いっぷりに期待以上だと感心した。するとマ・クベも艦橋へ入って来た。
「・・・フロンタル」
呼びかけられたフロンタルは振り向き、マ・クベを見た。その傍にはマリオン、クスコと小さな少年少女が複数いた。どの少年少女も同じ顔をしていた。
「・・・クローン上手くいったようだな」
「ああ、ニュータイプ部隊として組織可能だ。これに合わすモビルスーツを都合してもらえればね」
マ・クベの発言にマーサが椅子を回転させて振り返った。
「アナハイムからの新型量産機があるわ。ギラ・ズール。ギラ・ドーガの小型化に成功しその分機動性能推進性能抜群よ」
「それは結構・・・」
「貴方のもあるわよマ・クベ」
「?」
マ・クベが不明瞭な顔をした。自分の機体を何故用意したのか。その疑問をフロンタルが解いてくれた。
「私が都合して欲しいと頼んだんだよ」
フロンタルは仮面の下の口角を上げてそう告げた。マ・クベは露骨に嫌な顔をした。2人ともそれを見てクスクスと笑っていた。
「私を戦場に立たせて何が楽しいのだ」
「君の教え子たちの面倒を見るのは君の役目だろ?高見の見物を決め込むにはそれなりの席料が必要なのだよ」
「そうね。マ・クベ、貴方の戦略眼を買って私は貴方を雇ったわ。
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