32話 特務 3.7
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というものはあって、オレは政治家向きではない」
「では、アムロが指すそいつは?」
「出来れば、この世界のネオジオンの総帥であるシャアが世界を統一できているはずさ」
カイはアムロの口からシャアという言葉が出て、何故そこでシャアなのか?と感じた。その戸惑いにアムロが捕足した。
「ああ・・・オレが本来いた時代のオレの宿命のライバルだった。ララァはオレとシャアの思念がララァという人格を作り出し、この時代のララァに憑依させたそうだ」
「・・・シャアが元凶?この世界のシャアは?」
「実はそこが複雑で、オレはアムロに、ララァはララァへ、だがシャアはシャアにはならなかった」
「じゃあシャアはどこに・・・」
「オレも知りたい。奴がこの世界をオレとは違う角度で掻きまわしたことは明白だ」
「明白ねえ・・・」
カイはアムロの言葉に半信半疑だった。カイはリアリストな為、アムロの意見は汲むがとても記事にはできない。だが、今までの経験による自身の直感がアムロがイレギュラーだということを指している。
カイは再び口を開く。
「・・・ここはお前にとってパラレルワールドであり、今起きている事はカオス理論だ」
アムロはカイの言葉が真を得ていると考え、頷いた。
「そうだな。オレにとってこれは現実と掛け離れている。父親ともこんなに上手くいかなかったし、シャアとも和解もない。ララァも生きている。あとそこのミハルさんもな」
急に呼ばれたミハルが少し驚いた。
「わ、私ですか?」
アムロが頷く。カイが「どういうことだ?」と尋ねると、
「・・・ミハルさんは本来7年前に死んでいた」
「・・・」
ミハルは絶句した。確かに死が身近であったときがあった。カイはそれがアムロが居た世界の出来事だと理解した。
「・・・アムロ、お前の居た世界は不幸が多かったのか?」
「そうだな。結構離別が多かった。ハヤトもな」
「ハヤトもか・・・。この世界は案外幸せなのかもな」
「オレの一挙手一投足がこの世界の変化をもたらしているとカイは主張したいんだな」
アムロがカイの考えを聞いた。カイは頷いた。
「そうだ。お前は世界のキーパーソンだ。特別政治家のように動かなくとも世界に作用している、とオレが感じる。だからゴップに輸送役をお前に頼み、ここに呼びつけた。ゴップとしては連邦の英雄であるお前が輸送するということですんなり了承できた。可笑しい話だがな」
カイは自嘲し、アムロは深くため息を付いていた。
「・・・オレはそこまで深くは考えなかった。ただ、これから起こるオレが思った不幸から逃れるために必死にもがいただけだった」
「アムロ・・・」
ベルトーチカはアムロの肩をそっと触れた
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